ベロでアンカー

ガラパゴス=A=サンチェスのお話



Garapagos=A=Sanches(1945〜)

ベアボウやコンパウンドは別として、現在ターゲット競技を行うリカーブアーチャーのほとんどの方は引き手を顎の下に入れる ロウアンカーです。センター、サイドなどの種類はあるものの基本的には世界のどこでも近代のターゲットアーチャーの 基本といえるでしょう。しかし、それとは全く趣を異にしたアーチャーが昔存在したのです。彼の名はガラパゴス=A=サンチ ェス。出身地はメキシコです。写真は1967年第24回マドリッド大会でのものです。見ていただければわかりますが、 彼はアンカリングの時に舌を出しています



そう、なんと彼は 舌の触覚と味覚をポイントにしたアンカリングを行っていたのです。



このアンカーは当時でもやはり個性的なものだったようで、大会終了時の 彼のインタビューが現在も保管されています。以下はそれを日本語に訳したものです。



「私は実に色々なアンカリングを今まで試した。そして私にとって一番感覚がよかったのが、舌を使ったアンカーだった。 舌は人間の体の中で最も感覚が鋭い場所の一つだ(注:そんな事実はありません)。味覚はとても繊細な感覚で、 様々な刺激を判別できる。甘さ、辛さ、苦さなどだ。これらを毎回一定にすることが必要なアンカリングと結びつけることを 考え付くのは、簡単なことだろう。実際やってみるとわかるが、創造より遥かに舌は鋭敏である。ただ一つ難しいのが、 舌の出し方を一定にすることである。やはり、リラックスできる舌の位置を見つけ出すことが重要だろう。 味覚を一定にするために次に考えたのが、弦に味を付けることだった。舌には甘さ、辛さ等の味覚を感じる部分がそれぞれ 分かれている。辛さを感じる部分は下の先端でチェックし易いことと、私自身辛党だったこともあり、試しに弦にタバスコを 塗ってみたところ、ちょうどよかった。以後タバスコを使い続けている。」
(Archery scope 1967年七月号より)



事実彼はこのアンカーで数々の大会で優秀な成績を収めていきました。 そして彼は、このアンカーにさらに改良を加えようとします。



「私が次に試みたのは、舌の接触面積を広くすることであった。一般のアンカリングでもそうであるように、 より一定なアンカリングができると考えたのである。そのための方法は一つ、舌をできるだけ出してみようというもの だった。」
(Archery scope 1970年九月号) 



それがサンチョスにとっての暗黒時代のきっかけとなるとは、 誰も知る由はなかったのでした・・・。






つづく


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