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手技治療について
治療内容の紹介のページでも記しましたように、当院で行なう手技治療は、恐らく一般の方が想像するカイロや整体とは全く異なるものです。根本治療という言葉があり、骨の歪みを正すことをその様に云う事がよくあります。例えば、腰痛の人に対して骨盤や腰椎などの骨を矯正してそれが根本治療です、という云い方をする事がありますが、それでは対症療法としてはいいのでしょうが、根本治療としては実は不十分であると思います。なぜなら骨を歪めてしまった原因までは治せていないかも知れないからです。当院で行う矯正は、その歪んだ骨は原因なのか結果なのか、結果歪んでいるのならその歪んだ原因はどこにあるのか、ということを様々な角度から観察し、体力よりも頭を使い、解剖学・生理学に則って内臓や筋肉等の軟部組織を含めて矯正します。身体の奥に潜んだ真の原因を改善することで身体のあらゆる機能を正常に戻してあげる治療と云えるでしょう。そして、その原因を治して初めて根本治療であると考えております。
ただ難点があるとすれば、患者さん自身が何をされているのかよく分からないという事ではないでしょうか。
原因を治すという事は、症状のある部位に治療を施すとは限りませんので、なぜ辛くもないところをあれこれ触っているのか最初は不思議に思われるかも知れません。ある程度は説明しながら治療を進めていきますが、あまり色々説明し過ぎるとお勉強会みたいになってしまいますし、そもそも患者さんは治療を学びに来ている訳ではないのですから、そこに時間を費やし過ぎても良くないと思います。そうは云っても、よく分からない治療を安心して受けるのは難しいでしょうから、少しでもご理解いただく為により詳しい説明を述べさせていただく事にしました。
何をしているのか分からないけど良くしてくれるならそれでいいや、という方は読み飛ばしていただいて構いませんが、もし興味がおありなら、宜しければ治療前と、できれば治療後にも目を通していただければより一層施術内容の理解が深まる事と思います。
身体の歪みについて
先ずは治療内容の説明の前に、身体の歪みの作られるしくみについてご説明いたします。一般的には普段の姿勢が悪くなっていることで背骨や骨盤の歪みが生まれ、それが色々な痛みなどの原因になると考えられがちです。それも全てが間違いではありませんが、歪んでいるから症状が現れるというよりは、むしろ症状が先にあって、そのせいで真っ直ぐな姿勢でいられなくなり、その結果歪みが生じているという割合のほうがはるかに大きいのです。
身体の歪みといいましても原因は様々です。大別して急性と慢性に分けられるのですが、急性とは今現在の体調からくる歪みであり、慢性とは骨そのものの古くからの構造的な問題とお考えください。どういうことかと云いますと、例えば、急にお腹が痛くなったりひどい腰痛の際には真っ直ぐに立っていられなくなります。このように何か身体に負担になるような問題が生じると、身体は真っ直ぐでいるよりももっと楽な姿勢を求め、必ず歪んだ姿勢になります。そしてその歪んだ姿勢を保つための筋肉の緊張も同時に起こります。また、暴飲暴食・風邪気味・寝不足・寒暖の差の影響を受けている…などの体調不良の時や、あるいは本人の自覚がない程度の時でも、弱っていたり疲れている所を守るために歪みや緊張は常に起こっています。実際患者さんを診てみると、そのような体調問題からくる歪み・緊張を持っていない人はいないと言っても過言ではありません。なぜそう云えるのかといいますと、私は骨を矯正する前に必ず内臓や筋肉の緊張を治療するようにしているのですが、そうすると初めの状態とは姿勢や歪み方が変化するからです。
例えば、身体の歪みがありますと手や足の長さが左右対称でなくなる事が多いのですが、初め左足が右足より短い姿勢の人が、内臓や筋肉の治療をすることで今度は右足のほうが短くなってくることもあります。この変化した姿勢というのは、内臓や筋肉の緊張が作り出していたものですから、当然骨を矯正して良くなるものではありません。もしこのような場合に最初から左足が短いものとして骨を矯正してしまうと反って悪化させてしまう事になってしまいます。ですから先ず内臓や筋肉の緊張を取り除いてから骨の歪みを正すのが正解と考えて施術しているのですが、この場合の初めの歪みが体調的な問題からくる急性の歪みであり、それらを取りのぞいた後に現れた歪みが構造的な慢性の歪みです。そして殆どの方がその両方の歪みを持っていて、その結果今現在の姿勢になっています。
それ以外にも、怪我などによってつくられた構造的な問題やその補正 ・
それらの結果できた全身の歪みを更に補正する筋肉の緊張…等が色々重なっています。そしてそのような歪んだ姿勢になった事で身体に負担がかかるようになり、悲鳴をあげる状態になったところから腰痛・肩こり・関節痛などの症状が二次的に作り出されます。そして、更にその症状をかばうような姿勢が上乗せされて…というように、様々な原因
(筋・骨格の問題、膜の問題、内臓の問題など)が複雑に絡み合って、その結果今現在の姿勢や歪みが出来上がっています。
要は、歪みとは身体の健康状態を示すバロメーターと捉えていただくのが良いのかも知れません。
勿論、症状というものは歪みだけが原因ではなく、単純に疲れるようなことをして辛くなるケースもあります。ですが、もし単なる疲労からくる痛みであれば、よく寝て疲労から回復すればそれで済むはずです。それで済まない場合は、上記しましたような健康レベルの低下が原因になっていると考えられます。(それ以外にも、物質的なものや病理的な問題が作り出すような痛みのケースもありますが、今回の説明の中ではあくまでも当院のような施術所で治療可能なものの説明とさせていただきますのでご了承下さい。)
因みに外傷や怪我など強打したことで骨格が歪むケースもありますが、それは骨の問題ですので、急性に歪んだものだとしても、構造の問題と考えたほうが良いでしょう。その場合でも、実は内臓からアプローチすることで変化することがあります。骨格(構造)と内臓(機能)には色々な関わりがあるようで、それが身体の面白いところでもあるように感じます。
治療の進み方
上記しましたように、原則としまして先に体調問題を整えてから骨格の問題を治療していきますが、その治療の軸にしていますのがSOTというカイロプラクティック・テクニックです。SOTとは、大まかに云いますと人間の体の状態を3つのカテゴリーに分類してそれぞれに対したアプローチを行う治療法です。あまり詳しく述べてしまうと本当にお勉強会になってしまいますので適当に割愛しますが、この3つのカテゴリーというのは上でいうところの慢性的な問題の事です。(
カテゴリーとは無関係の慢性的な問題もあります。)ですから最初からカテゴリーを見定めて、そのカテゴリーの治療を行うということは基本的には出来ません。
SOTの治療の中には、慢性的な問題を隠してしまっている急性の体調問題を治す治療法もあり、それ等を用いて先ずは筋肉や内臓、四肢の問題などを取り除いていきます。
治療や触診は非常にソフトで、身体の中で起きている問題を一つ一つクリアにするような感じで進みます。身体の姿勢や緊張している箇所を参考に何が起きているのかを推測しながら、特定の部位に現れるインディケーターと云われる身体のサインを触診で読み取り、それが意味する問題を治療していきます。今ある問題を解消することでその奥に潜んでいた問題が現れ、又その問題を解消して…というように、徐々に悪いものを削ぎ落とし、その中にある正常な状態が見えてくる、といった感じで身体を健康に導いていきます。そして体調問題をクリアにしたときに奥に潜んでいた慢性的な問題が見えてきますので、その後必要に応じて慢性問題であるカテゴリーやカテゴリー外の骨格の矯正を行います。
ただ、慢性の問題というのは、そのときの体調によって必ずしも治療を進めたほうがいいというものでもありませんので、状態によっては急性問題のみの治療で終了する場合もあります。それでは不十分なのでは?と思われるかも
知れませんが、慢性的にずっと持っている歪みというものは、ある意味歪んだ状態で安定しています。それを治療するということは安定しているものを崩す行為にもなってしまいますので、あまり患者さんの体調が良くないときに無理に治療を進めようとすると、反って身体に負担になってしまうこともあります。慢性問題にも浅いものや深いものなど色々なものがあり、一くくりで説明するのは難しいのですが、急性問題や浅い慢性問題を解消して、その奥の深い慢性問題(カテゴリー)が現れた時点で体調問題は良くなっているはずですし、それだけでも骨格の歪みはかなり正されます。ですから、今日の体調を良くする治療という意味ではそれで十分とも考えられます。
例えば、ぎっくり腰というのは急性の腰痛の総称の事です。大抵のぎっくり腰は炎症性のもので、捻挫などと同じ状態と考えていただければよいのですが、今まで腰など全く何ともなかったような人でも、ある日突然起こり得ます。
余程負担のかかるの事をして起こる場合もありますが、普段だったら何でもないような日常の動作の中で簡単にぎっくり腰になってしまうような方が多いものです。
それはなぜかと云いますと、ぎっくり腰を起こしてしまってもおかしくない腰の状態に年月を経て徐々になってきているからです。その身体の状態に加えて、疲労の蓄積や季節的な影響、寝起きで身体が固かったり…等が合わさって腰の緊張がますます強くなってしまった時にいとも簡単に起こすようになってしまう訳です。
ぎっくり腰はクセになる、と思っている人が多いのですが、正確に云えば一度起こしてしまったことでぎっくり腰を起こしやすい腰の状態になるのではなく、一度目を起こしてしまった時には既にぎっくり腰を起こしてしまってもおかしくない腰の状態になっているから先ず一度目が起きて、その腰の環境が改善されていないから、治っても又何かの拍子に痛めてしまうのです。
基本的には炎症が落ち着けば元通りに動けるようになりますので、急性のぎっくり腰の治療としてはたいてい数回の治療で完了します。ですが、ぎっくり腰を起こしやすい腰の状態を正したいのであれば、慢性的に悪くなってしまった腰の状態を治療するべきです。ただ、慢性的なものを正す治療というものはすぐ良くなるとは限りませんし、今ある症状を改善する治療でもありませんので、良くなっているのかどうか実感しにくいものです。ですから又痛めてしまってから来院される患者さんもいらっしゃいますし、私も患者さんがそれでいいのなら無理に慢性的なものの治療は勧めません。痛みが無くなっているのに治療の継続を勧めても嫌がられる事もありますし…。
勿論、慢性的なカテゴリーの状態も良いに越したことはないですし、いずれはそこまで治療していったほうがいいと思います。ですが私自身、基本的に無理にカテゴリー操作をしようとは考えておりません。体調問題が良くてカテゴリー操作ができそうな時には行いますが、カテゴリーの治療云々よりも、先ずは体調問題を治療してから、患者さんの症状のある部分の問題が残っていれば、そちらを対症療法的に治療するようにしています。
例えば、膝が痛くて来院されたとしても、初めから膝の治療をするのではなく、先ず体調問題の治療をします。それだけでも膝の痛みが変化することもあります。そして
もしまだ膝の問題があれば、それが膝そのものが原因で起きている問題になる訳ですから、そこで初めて膝に直接アプローチをします。もし、体調問題を治療するだけで膝の動きや痛みが良くなったのなら、それは膝が悪くて起こっていた問題ではないという事になります。このような事は稀ではなく、腰痛で来院されても原因は腎臓だったり、肩こりの原因が胃だったりするような事はよくあります。そのような場合には、つらい患部には手を加えることなく治療が終了してしまう事もあります。ですから、今まではつらい箇所をよくマッサージしてもらっていたり、患部の治療を念入りに受けていたというような方からすると、当院のような治療はとても物足りなく感じてしまうかも知れません。ですが、ちゃんとした原因を治さずに必要でない刺激を与えていても意味がないばかりか逆効果になってしまう事もありますので、私は必要ないと判断した事は変なサービス精神で行ったりしないようにしています。
カイロプラクティックとは、神経圧迫の原因となる椎骨変位を、手で行なう技術によって正常な配置に戻すことで神経圧迫を取り除き、自然治癒力を働かせる、というように定義づけられています。例えば腰が痛いときに腰の治療をしますとはどこにも書いていません。腰を直接治療するのではなく、身体の健康レベルを上げることで、結果的に負担のかかりやすくなっていた腰の問題も改善される、という風に解釈していただくのが正解かと思います。そして、当院の治療はその概念に忠実に則った治療であると考えております。ただし、腰が痛いときに腰の治療をすることがいけないとまでは私も思いませんし、必要なときには対症療法も行います。その辺は臨機応変に考えてやっているつもりです。
簡単に書き記すつもりでしたが、結局分かりにくい文章になってしまったような気がしてなりません…。ご理解いただけましたでしょうか?少しでも治療への理解が深まっていただけましたら幸いです。それでも実際に当院の治療を受けてみると、何をしているのかよく分からないと感じる事が多々あるでしょうが、治療の中で行っていることは全て意味のある事をしております。もし何をしているのか疑問に感じたことがあればその時に遠慮なく尋ねて下さい。
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