交代人格とは

■交代人格■

解離性同一性障害では複数の自己同一性を持ち、
全体として一つの人格システムを構成しています。
この一つ一つを交代人格と呼びます。
交代人格は、たいてい自分の名前を持ち、自分の生活史を持っており、
特定の機能を発達させ、特定の状況への行動や感情反応は一定しています。
そのため、ひとつの体の中に何人かの人間が住んでいるように見えます。
それぞれの人格の間にはある仕切りが存在し、それぞれがまとまりをもっています。

■交代人格の詳しい話■

解離性同一性障害とは、同一性・記憶・意識のさまざまな側面の統合の失敗を反映しています。
各々の人格は、名前も含め全く別の個人史・自己像・同一性をもっているかのように経験されます。
人格によって生理学的機能に変異がみられるという報告があります。
(人格によって視力の差・痛みの耐性・喘息症状・アレルゲン感受性・血糖の変化など)
通常、戸籍名を持つ受身的で依存的で罪深く抑うつ的な第一の同一性(基本人格)が存在します。
別の同一性(以下人格)は別の名前を持ち、基本人格とは対照的で、
敵意があったり、支配的であったり、自己破壊的であったりする特徴を持っています。
特定の人格が特有の状況で現われることがあり、
そこで報告される年齢・性別・語彙・一般教養・優勢な感情は異なります。
交代する人格が、他の人格を犠牲にして代わるがわる主導権を持つかのように経験され、
互いについての知識の否認・相互へ批判的・あからさまな衝突などがあります。
時には、力を持った1つまたはそれ以上の人格が、他の人格に時間を割り当てたり、
攻撃的・敵対的な人格が時に活動を中断させたり、
他の人格を不快な状況に陥れたりすることもあります。
患者は個人史について、昔の記憶・最近の記憶の両方においても頻繁な空白を経験します。
健忘は不均一であり、受身的な人格が制限された記憶を持つ傾向があるのに対し、
敵対的・支配的・保護者の人格は、より完璧な記憶を持ちます。
支配していない人格が幻聴・幻視を作り出す事によって意識に接することもあります。
健忘の存在は、その人が認めようとしない行動を目撃した他の人からの報告や、
またはその人自身の発見(覚えのない物を自宅で見つけるなど)によって裏付けられます。
短期間の記憶喪失が繰り返されるだけでなく、
長期間の小児期の自分史についての記憶喪失があることもあります。
人格間の移動は心理社会的ストレス因子が引き金になっていることが多く、
1つの同一性からもう1つの同一性に切り替わるのに必要な時間は通常数秒です。
頻度は少ないが徐々に切り替わることもあります。
人格の数は2から100以上にまで及び、男性は平均8、女性は平均15の人格が存在します。

■主人格■

主人格とは「大部分の時間、体を管理的に支配している人格」と定義されており、
交代人格のひとつに過ぎません。単に出番の多い人格に過ぎないのです。

■基本人格■

主人格に似ているものですが、違います。
基本人格は出生直後に生まれ、重大なストレスから体の生存を助けるために、
初めて新しい人格を切り離した存在」です。
つまり、多大な苦しみを受ける前の、無傷の自分です。
基本人格は様々な交代人格を生み出します。
全ての人格は、基本人格から派生してきます。
(※派生→基本人格から生まれた交代人格が更に新たな人格を生み出す場合も含む。)
ただし、主人格が基本人格であるとは限りません。

■交代人格の機能■

子ども人格…絶対的に見つかる人格。過去の体験を抱えて苦しむ子、天真爛漫な子など。
迫害者人格…他の人格に危害を加えようとします。
自分に危害を加えた人がそのまま人格となってあらわれることもあります。
自殺者人格…リストカット症候群など自傷癖・自殺願望を抱えています。
保護者人格…基本人格など受動的な人格を守る役割をします。
ISH…内なる自己救済人格、オブザーバー的存在です。
異性人格…基本人格(肉体)の性別とは違う性別を持つ人格です。
性的放縦者人格…セックス依存などを抱える人格です。
脅迫人格…自殺をそそのかしたり、中傷めいた言葉を発します。
…など様々な特徴を持ちます。
もちろん、「異性」+「保護者」などというパターンもあります。