統合失調症

■統合失調症の概要

「統合失調症」は、以前「精神分裂病」と言われていました。
定義されているのは「主に青年期に発症して、幻覚や妄想が出現し、後々人格欠陥を残す病気」で、
統合失調症の多くは思春期から30歳で発症します。
幻覚や妄想が出現するために現実と非現実との区別が付きにくくなり、社会生活に支障が出てきます。
人格欠陥とは人柄が多少変わってしまい、無関心な状態です。

統合失調症の発生頻度は100人に1人と言われています。
これは胃潰瘍と同じくらいの発生頻度で、けっして珍しい病気ではありません。
男女での発生頻度の差はあまりないようです。
かつては「不治の病」とされていましたが、薬の発達とともに「治療できる病気」となっています。


■統合失調症の症状

一般にブロイラーの4つのAと呼ばれることが多いです。
[autism]自閉性・[ambivalence]両価性・[affectの障害]感情の障害・[association]=観念連合の障害
をいいます。

【自閉性】
自分の内面の世界に「うちにうちに」閉じこもることです。
内面の生活の方ががぜん優位となっているなっているために、現実から遠ざかってしまう状態です。

【両価性】
同一の対象に対して全く反対の感情を持つ「愛憎混同状態」ことをいいます。
しかし、これは神経症などでもよく見られる症状です。

【感情の障害】
感情が鈍麻、感情の不安定性(怒ってると思ったら笑い出す)、何事にも無関心など、
感情がとまっているような感じを受けます。

【観念連合の障害】
思考内容のまとまりのなさ(支離滅裂)、連想のゆるみ(連合弛緩)などが見られます。

上記の4つ中でも特に「観念連合の障害」は中心的症状といわれています。
統合失調症といえば「幻覚、妄想」を思い浮かべる人も多いと思いますが、
これは必ずしも経過中に出現するとは限りません。

これらの症状の一級症状として、「シュナイダーの一級症状」と言うのがあります。
これがあって身体の病気がなければ統合失調症と言えるような症状を「一級症状」、
そういう価値のない症状を「二級症状」と呼びました。
身体の病気とは薬物(アルコール、覚醒剤など)や他の体の病気がないことを確認した上の話です。


■統合失調症の病型

どんな症状がよく見られるかなどによって大きく4つのタイプに分けられることができます。
それらは、発症の年齢や症状などもだいたい似てきますし、
また、治療や予後などにも深く関係していきます。

@妄想型
頑固な妄想が前面に立つ統合失調症です。
妄想内容の話さえしなければ、一見分裂病だとわからないくらいです。
その内容は被害妄想や誇大妄想があり、妄想が体系化しやすく、日常生活の隅々まで支配します。
そのため、会社や学校に行けなくなります。
発症年齢はほかのタイプと比べ若干遅く、30歳前後、まれに40歳で発症します。
感情障害や自閉性は目立たず、人格崩壊になることも少ないです。
また、急激に発症するのもこのタイプの特徴です。

A解体型(破瓜型)
思春期から二十歳前後に発症しやすいタイプです。
妄想や幻覚もみられますが、妄想型のように妄想が体系化することがありません。
神経症を思わせるような不眠、頭重感、易疲労感、注意集中困難、抑うつ気分で始まることが多いです。
独語、空笑、奇妙な行動、退行的な行動を認めます。
初期症状は目立たなくて、じわりじわりとすすんでいきます。
ほかの病型と比べると、比較的予後が悪いと言われます。

B緊張型
急性に興奮し衝動的になったり、逆に無言無動(昏迷)になったりする統合失調症です。
興奮と昏迷を繰り返します。
客観的症状が目立ち、急激に悪くなりますが、治りやすいのはこのタイプです。
発病年齢は二十歳から三十歳くらいの間です。

C単純型
幻覚や妄想などは全くみられず、自閉、感情鈍麻、人格症状などの陰性症状がゆっくりと進行するタイプ。
人格障害との区別が付きにくいようですが、このタイプが人格障害に含まれることもあります。


■統合失調症の治療

病気の時期や症状、社会性などによって、それぞれにあった治療法を必要とします。

@薬物療法 抗精神病薬を使うのが主流で、薬の出現で、外来治療が可能になりました。
薬物療法ではその薬の副作用が問題となります。
新しい抗精神病薬はその点に注目して副作用が少ないように開発されています。
また副作用を抑えるための薬を一緒に服用するためどうしても種類が増えてしまいます。

A電気けいれん療法
非常に興奮した状態などとても限られた状況のときに使われることがあります。

B精神療法 統合失調症では精神療法は症状の消失や治癒などを期待することはできません。
ただし、患者と治療者の信頼関係を築くという、大事な意味はあります。

Cリハビリテーション
統合失調症は徐々に意欲減退や感情鈍麻などが進んでいきます。
そのことは社会生活の適応の低下というかたちでも表れていきます。
リハビリの目的は、社会生活能力の低下を防止し、回復を促し、社会に適応を取り戻そうというものです。
一般には「生活療法」とも呼ばれます。

D社会復帰のための援助施設
外来治療のみでは十分な社会生活の維持が困難な場合や維持が困難なとき、
入院生活から社会生活に戻る移行段階を必要とする人のためにいろいろな援助施設が利用されます。
デイケア、ナイトホスピタル、援護療、共同作業所などがそれにあたります。


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