日本に帰ってきてしばらくたったある日のことである。
いつものごとく、まいは中庭でランチをしながら本を読んでいる。
そして、いつものように真知子がまいの横にかけている。
旅行から帰ってきて二人の距離が少しだけ縮まった。
まいも少しずつ真知子に自分のことを話すようになっていた。
「真知子。大学卒業したらどうする?」
唐突にまいが聞いた。
「えっ?たぶん就職だよね。まいは?」
「やっぱり、私はピアニストになりたいな。」
「ピアニスト?まいならできると思うよ。」
「でも。そうなら音大に行かなきゃね。」
「そんなことないよ。今からでも遅くないと思うよ。」
「真知子?私大学受けなおそうかな?」
「まい、どんなとこに行っても私達の間は変わらないよ。」
「うん・・・。」
イチョウの木の葉が舞う。
黄色い葉がふたりを覆う。
「きれいだね・・・」
「うん・・・」
まぶしそうに木の葉を見る二人があった。 |