恋人達の街
第1話
「さっきそこで、こんなパンフレットをもらったんだ。」
 と、友治が智美に旅行のパンフレットを渡した。
 付き合いはじめて、5年。
 お互いの良いところも悪いところも知っいる。
 智美は、「結婚」を考えているけど友治はまだまだ仕事が楽しい。
 仕事に一生懸命なあまり、ついつい智美との約束もキャンセルしてしまう事もあった。
「面白そうなパンフレットだと思ってね。来月は智美の誕生日だろ?一緒に行かないか?」
 パンフレットには、大きく「恋人達の街へようこそ!!」と書いていた。
 中を開いた智美が、
「なあに、これ?中が真っ白じゃない?」
 智美の言うように、中は真っ白で金額の欄に「お二人で5万円」と書いているだけであった。
「はははっ。きっとプリントミスだな。でもおもしろそうじゃないか。そうだ申し込んでみないか?」
「えっ。このまま?ちゃんとパンフレットを取り寄せてからのほうがいいんじゃないの?」
「今年の智美の誕生日は、思い出を作りたいんだ。俺も年休消化しなきゃいけないし。どうだい?」
 いつになく、真剣な友治のまなざしに智美は、思わずこう返事してしまった。
 「いいわよ。行きましょう。ほんとにユージはいつも急なんだから・・・」
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