恋人達の街
第6話

「ともみーーーー。」
 友治の声がこだまする。
 歩いても歩いても闇ばかり・・・
 あの影はなんだったのだろうか?
 智美はどこに行ったのだろうか?
 こんな事ならけんかしなきゃ良かった。
 こんなにこんなに智美の事愛してるのに・・・
 考えて見ると智美の事何にも考えていなかった。
 いつも自分の仕事のことしか考えていなかった。
 いつも自分のため・・・自分のため・・・
 そしていつも智美は待っていてくれた。
 だあれもいない自分の部屋で待っていてくれた。
「ともみーごめんよ。」
 友治の声が響く。

「ゆうじー。」
 智美が叫ぶ。
「ゆうじー。」
 どうしたんだろう。
 こんなに友治にそばにいてもらいたいなんて。
 考えて見ると、いつも友治に嫌われたくなくて、
 自分をおさえていた。ものわかりの良いふりをして。
「本当は・・・」言いたいけど言葉が出ない。
「ゆうじーー。」
 智美は声の限り叫んだ。

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