日時 : 2000年10月24日火曜日 6:20〜9:00
所要時間,走行距離,走行中の平均速度 2時間40分,95km,36km/h
コース: 埼玉県/自宅→中尾の滝(名栗村)→正丸峠→顔振峠→グリーンライン→大野→鳩山
少し前から始めた「滝を見るツー」だったが,滝の在り処を調べるのに地図しか知らなかったのであっという間に行き場がなくなり滞っていた。ある日,飯能に越してきた頃,地元を知るのに買った案内書(色々あったが,例えば「奥武蔵見て歩き」埼玉県生態系保護協会編)の中に地図に無い滝を発見した。久々に興奮した。早速尋ねて行きたかったが,ここの所天気が悪い日が多く,なかなかできないでいた。また,冬の気配が色濃くなり,朝の時間がどんどん短くなってきて,夏のころのように自由な朝ツー設計が出来ない。
今日は,そんな近頃には珍しく朝から天気がよい。昨日はかなり雨が降っていて,天気予報では晴れると言っているものの,「こりゃ〜あすもだめかな?」と半ば諦めていた。朝5時50分,床から起き出してみると,まだ暗い空に雲が無く,東に低く太陽の気配が立ち込めていた。「よし,行けるか!」。急いで着替えて,朝食を軽く取った。外を見ると屋根や地面がまだ濡れている。少し明るくなってからの方が地面が乾いてよいだろうと,はやる気持ちを抑えてもう少し様子を見ることにした。
朝6時20分。もう我慢できない。雨の後の林道は砂のような体積物で路面が汚れている。その上を走るとたちどころにバイクが汚れてしまう。汚れるのは嫌だが,乾くまで待っていることもできない。覚悟を決めて出発である。
県道53号線を名栗村に向けて走る。所々,昨夜の雨水が残っている。なるべく雨水のところを踏まない様に走ったがもう汚れちゃっただろうな。停車してもスイングアーム辺りを見ない様にした。
赤工辺りまで来ると信号が極端に少なくなる。同時に山が両側に迫り,出ていた朝日が山の影に消されてしまう。そうするととたんに冷えてくる。ぴりぴりする寒さでなく,ぞくぞくする寒さである。一定速度で走りつづけるのが結構辛く感じられ,噛み締める顎の筋肉が痛くなった。
そんな寒さに耐えながらなんとか有間ダムの入り口までやってきた。名栗湖畔のお土産屋さんの自販機であったかいコーヒーが飲みたかった。見ると,まぁだ2輪車通行禁止の立て看板がある。憎たらしい看板を写真に撮った。こんど飯能警察に掛け合ってみようと思う。
心の中で看板にキックを食らわしながら軽いワインディングを名郷目指して抜けて行く。
目指す名郷のバス停は,Y字路にあった。右に折れると名栗少年の家方面,左に折れると目的地方面だ。名郷のバス停を写真に収めておこうと思い,ここでバイクを降りた。バス停はY字の股の部分からやや右側にあった。ヘルメットを被ったまま,カメラを持ってふらふら歩いて行くと,少し向こうから女子高生らしき女の子がこっちに来るのが見えた。「多分怪しまれているだるなぁ」と思いながら,とにかくバス停の写真だけ撮った。確かに怪しいと思う。こんな平日の朝早く,ヘルメットを被ったままバス停の写真を撮りに来るなんて理由が理解できないもの。まあいい。
すぐさまバイクに跨り中山林道を目指した。この道の果てには鋼管工業という石灰岩の採掘場があるので,大型ダンプが行き来するのを知っていた。道幅はあまりないからブラインドカーブの先からダンプが現れたらやばい。カーブは十分気を付けながら曲がって行く。
間もなく大鳩園キャンプ場が見えてきた。小奇麗なバンガロー風の小屋が何棟も建っている。横を流れる川は澄んでいて,河原の砂利も綺麗に均されていた。キャンプ好きなら思わず火を起こしてバーベキューしたくなるような所だろう。このキャンプ場を越えるとすぐ大場戸橋が見えた。中山林道は橋の手前を右折して入る。
林道の路面には昨夜の雨で落ちたのだろう枯葉が少し厚めに堆積して,「う〜ん,滑りそう」って感じのオーラを放っていた。少し行くと道は小川を渡った。渡って直ぐをキョロキョロしていたら目的の「中尾の滝」を発見した。滝から一本の小道が橋の袂まで来ているようだ。あの崩れそうな木の小道を行くと滝壷まで行かれるんだろう。
そう思った僕はバイクを道端に止めて橋の袂まで歩いた。無情にも木の小道は,多分腐りかけているんだろう,通行止めになっていた。他に通れる道を探すも見当たらなかった。小川を遡れば行けなくはないだろうが,今日はそんな装備がない。泣く泣く遠くから滝を撮影するしかなかった。
滝ハンターとしては,こうゆう結末が一番悲しい。カメラを持ったまま,暫くその辺をうろうろしてしまった。何の解決策も持たずにである。
ついに諦めた。さてUターンしようにも道が狭過ぎる。もう少し奥まで行くと少し広くなっている所があるのを知っていたので,無念の中尾の滝を後にして進んだ。次の橋の袂はUターンできる程度広くなっている。さてUターンだ!と思ったとき,瞳に滝の姿が飛び込んできた。直ぐ横に「蛇滝」という看板も発見した。行って見よう。
今度は近くまで寄れそうだ。一旦小川に下り,川面から突き出た岩の上を歩いて行く。これ以上は無理と言う所まで滝に近づいて写真を撮った。今度は満足である。
今日の滝ハンティングは,最初,目的の滝を十分に撮ることが出来なく少し心残りがあったものの,思いがけなく別の滝に出会ったことで一転して大満足となった。中尾の滝に近づく木の橋は,ぜひ直してもらいたいと思った。遠めでしか見ることができず,どんな姿,形をしているのかすら良く分からなかったので,未だに興味深々である。
さて,薄暗い林道を後にして,県道53号線に戻り,正丸峠を目指した。峠を目指す目的は,当然林道のワインディングを楽しむためである。名栗少年の家から正丸峠に向かって林道を走る。若干路面が濡れていたので初めはゆるゆると走っていたが,そんなに滑らないことが確認できたので少しづつスピードを上げた。
初めて正丸峠に来た頃は永遠に続くワインディングのように感じていたが,最近は少し物足りなくなった。程なく国道299号線に出た。
国道299号線を吾野駅近辺まで戻り,県道61号線で再び林道に登る。顔振峠を通って都幾川村の大野に出ようと言う魂胆である。顔振峠までの林道はこれまで僕が走ってきた中で最も走りやすい。何故か僕に波長が合うようなのだ。峠から大野までは飯能市,越生町と都幾川村の山の尾根を走る。海抜は数百m位だろうが,昨日の雨が朝日で蒸気になり,雲となって山を駆け上ってくる様子を上から眺められた。
雲海である。その雲海がだんだん自分の立つ峠に迫ってくる。地元に住んでいる人だけが見られる風景の一つだろう。
時計を見ると始業時刻が迫っていた。慌てて山を駆け下り,都幾川村を抜けて鳩山に向かった。