ミニツーリング その23

日時 : 2001年 4月 29日 日曜日 5:50〜7:50
所要時間,走行距離 73km
コース: 埼玉県/自宅→東京都檜原村,払沢の滝→自宅

久しく途絶えていた朝のミニツーリング,略して朝ツー,もしくはミニツーを今日再開した。本当は一年中いつでも行きたいと思っていたのだが,埼玉の冬は意外に厳しく,特に山のなかともなると半端でなくなることが分かってしばらくお休みとなっていた。
「再開した」というと恰好良いが,実はかなり悩んだ果ての再開だった。その悩みは朝5:00に始まった。
ふと目覚めるとすでに明るくなっていた。外の天気はどうかな?と窓に目をやると生憎の曇り空。昨夜興奮して寝付けなかったのに今朝は曇りと分かった瞬間,暖かい布団の誘惑に負けてしまった。
それから葛藤が始まる。昨日あれだけ「行くぞ!」と決心したのにこの醜態はなんだ。曇るかも知れないことは天気予報で分かっていたことじゃないか..でも眠たい..バイクが,木々が,そして滝が呼んでいるぞ!..でもかったるい..
永遠30分間に渡る行く行かないの葛藤は,ついに「行く」ということで終結した。そうと決まれば行動は早い。あっという間に着替え,顔を洗ってバイクに跨った。ちょうど時刻は5:50だった。

我が家を出て阿須の交差点を直進して,途中から東京都に入る。そして成木街道をひた走る。吹上トンネルを越えると下り坂でそのまま青梅市の市街地に出た。さらに直進して青梅街道に右折で入る。このころ空に薄い空色の部分が見えてきた。東には太陽の輪郭が雲に透けて見える。「晴れてくれないかな? 寒すぎる!」。そう,かなり寒いのであった。早朝の空気は,ただ居るだけならそれほどでもないが,バイクで風を切ると底冷えとなる。歯をがちがち言わせながら走った。60km/h以上ではとても寒くて走れない。意外にも安全運転をしている自分がいた。

道行く車は極端に少なく,おまけに信号はすべて青。たまに信号で止められてもすぐに青になるといった案配で極めて順調に進んでいく。だから余計寒い。だからときどき止まって写真を撮った。それほどよい景色には巡り合っていないけど止まらないと死んでしまうと思った。青梅街道を左折して秋川街道に入った。
千ヶ瀬町に入って目の前に橋が見えた。多摩川だ。調布橋の名前が少し不思議だけど,橋は結構きれいで渓谷風な感じが好印象だった。写真を撮ってから橋を渡る。

橋を渡ってすぐに吉野街道を渡る上り坂だ。そして比較的なだらかなワインディングを上って行く。途中共同墓地や火葬場の横を通過する。二ッ塚峠を越えると今度は下り坂。相変わらず緩やかなワインディングで,う〜ん,スピードを出す人には面白いかも知れない。僕にとってはスピードが付きすぎて少し恐い。
少し五日市の町中を走る。途中に「つるつる温泉入口」の看板を見つけた。以前来たときも気になった。今度ぜひそっちにも入ってみたい。「つるつる」とはいったい何をいみするのだろう。入るとお肌がつるつるになるってことか?

そうこうしているうちに武蔵五日市の駅前に差し掛かった。武蔵五日市の駅はとても奇麗で広い。周りに大きなビルが無いこともあり,とりわけ駅舎が立派にみえるのかも知れない。でも,いつも通りかかるとそう思うので単にそれだけでない何かがあるのだろう。そのまま駅を通りすぎて,今度は檜原街道に入った。

秋川沿いはキャンプ場がとても多い。そこかしこにキャンプ場の案内看板が立っていた。檜原街道はその入り口近くで五日市のワインディングよりさらに緩やかで,しかも道幅が広い。快適に走っていたら右にコンビニが見えた。なにげなく見ながら通過したら,何か不思議なものが...まきである。恐らくキャンプ客やバーベキュー客が買っていくのだろう。でも,コンビニの店先に棚に積まれた大量の薪はとっても不思議だった。

コンビニを過ぎる頃,道はずいぶん細くなって,ときどき90°を越える回り込みのあるカーブが現れるようになった。十里木というところを通り過ぎてからである。以前来たときにはこの辺りで凍結によりUターンしたんだ。今でも道にはその頃の跡かも知れない微妙な染みが刻み込まれていた。道端の氷が溶けてできる波状の模様である。その模様を見るとなんとなく嫌な気がするのは僕だけであろうか?
檜原村の村役場を通り過ぎたらすぐに道はT字路にぶつかった。右か左か?どっちに行けばよいのか道の案内板に「払沢の滝」を探すが見つけられない。一度停車して地図を開く。右のようだ。なんで案内板がないの?ともう一度前を見ると横っちょのほうにあるじゃないか..もう少しはっきりした所に置いてくれなきゃわからないよ!
地図では右折して数百mも行くと左手に滝の入り口があるように描かれている。行き過ぎないようにそろそろ走っていくと,あったあった滝の案内が..でもまたどっちに行ったら良いのかよくわからない。案内板が指す方向は川のなかだぞぉ!
なんどか間違えた方向にバイクの頭を突っ込んではバックを繰り返しているうちに無料駐車場にたどり着いた。ここからは徒歩のようだ。やや傾斜がある場所にバイクを止めた。自然にバイクが動き出さないように慎重に方向を探ってからスタンドをかけた。ヘルメットも置いてゆく。いつも感じるのだが,バイクとヘルメットをこのように無防備に置いておくのがとても心配だ。友達は結構ラフにバイクを止め,ヘルメットなどミラーにかぶせてその場を離れる人が多い。汗臭い他人のフルフェイスヘルメットなどかぶる気にならないとは思うものの,やはり買うには高いものだから心配になる。バイクにいたずらされたら困るとか,盗まれるんじゃ..とかいっつも考えてしまうのは過敏症なんだろうか?

小奇麗に整備され,いかにも観光地をアピールする小道を歩いていくと分岐点があった。道標がまたわからない。矢印の方向があやふやなんだな。ビシッと方向を確定して欲しい。あっちこっちきょろきょろして山に登る砂利道に狙いを定めた。少し登と右に派手にのぼりを掲げた店があった。ビールでも飲ませるんだろう。奇麗にしてあるからよいが,どれほどのお客が来るのだろう?想像してみるとシーズンのこの辺りには近づきたくなくなる。人があまり多いのはごめんだからだ。

もう少し歩いていったら今度は谷に向かって一軒の家が建てられているのを見つけた。「ゆうびん館」と書かれているが何かを見せるところなんだろうか?実態はよくわからなかったけど,なかなか趣のある建物だと思った。建っている場所もすごい。谷間からにょっきり生えている何本かの柱を土台にしてその上にたっているんだ。
そこを過ぎると山の中って感じが色濃くなってくる。聞こえるのは鳥の声となんだかよくわからないが何かの鳴き声だけだ。なんだかわからない鳴き声っていうのは少々不気味だった。ただ,滝が待っているかと思うと気が紛れた。
だいぶ歩いた気になってきたころやっと目的地が近い雰囲気がしてきた。左手に沢が流れ,その流れはときおり音を立てて段差を落ちていた。「これがそうか?」と何度か思った後に,やっと目的の「払沢の滝」が現れた。結構大きい。落差がどれほどなのかよくわからないが15〜20m位だろう(後で調べたら26mだそうだ),水量はそれほどでもないのでやや細く見えた(8月にはライトアップされ,真冬は氷結するそうだ)。滝壷には奇麗な水が貯えられていた。この水は麓で飲料用として使われているようである。一通り写真を撮って退散することにした。人気もなく,なんとなく寂しくなってきたからである。滝に背を向けるとなにか得体の知れないものが後ろからついてくるような気がして不気味だった。そしてそういう気分に一度なるとそのままそんな気分が持続してしまった。
一目散に山道を下って,「ゆうびん館」の辺りまでくると人気を感じてほっとした。早朝の山は一人では恐い。前にもそんな思いをしたことがあった。

駐車場に戻り時計に目をやると,時刻は6:50だった。もう帰らないといけない。時間があったらこの近くの「天狗の滝」も見に行きたかったが今日はちょっと無理のようだ。元来た道を戻る。
途中,何台ものバイクとすれ違った。みんな立派なバイクでさっそうと奥多摩湖方面に走っていった。攻めてくるのかな?友達同士で行けるなんて羨ましかった。僕はいつも一人旅だ。
7:50に自宅に到着した。所要時間は2時間,走行距離は73km。滝周辺では歩いたので,バイクに乗っていたのは1時間40分くらいだろうか? 久しぶりに見た滝はいつもながら感動した。

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