日時 : 2001年 7月8日 日曜日 7:30〜13:10
コース: 埼玉県,群馬県,長野県/自宅→志賀坂峠→ぶどう峠→北相木郡,加和志湖→逆走で自宅
距離 : 233.4km (平均42km/h,燃費は良かった22.8km/L)
今回のミニツーはいつもより大幅に距離を延ばして,ほとんど僕が一日で走れる距離のいっぱいいっぱいの旅だった。
なぜ,こんな僕にとって無謀とも言える旅を決行したかというと,今度の夏休みに女房と1泊でこのルートでバイク旅を
計画したからだ。国道299(以後R299)は我家の前を通り,地図上では埼玉−群馬−長野をほぼ直線的に結ぶ道で
あるが,途中,群馬と長野の県境である十石峠の手前で寸断し,代わりに林道が接続する様になっている。
ここがいったい通れるのかどうか?つまり,例えば道はあっても砂利などで僕らの技量では通れない道なのか,はたまた
雨による崩落や土砂崩れで通行止めなのか,を下調べをしておきたかったのだ。
そして,決行が今日になったのは,丁度女房と母親が「風と共にさりぬ」のミュージカルを見に行くというので,僕が全く
のフリーになったからだ。
朝起きると天気がややよかった。変な表現だが曇りにちらほら晴れの部分が見えるといった様子だった。天気予報は晴れ て暑くなるというので絶好のツーリング日和になりそうだった。空気はやや乾燥ぎみで爽やかだ。早速起き出して着替え る。暑くなると苦しいから,ジャケットの下はポロシャツだけにしておこう(後で後悔したが..)。
朝食を軽く取った後,バイクのエンジンをかけた。今日は少し遠乗りするぞ,頑張ってくれよな!とバイクにつぶやく。 最近あぶない人になりつつあった。
R299に乗り出して,西へ向かう。西の空はやや暗い雲が立ち込めていて,なんとなく嫌な感じがした。山の上は霧
が出ていそうな雰囲気である。霧はぐしょぐしょになるから嫌いだ。だいたい前は見えないし,路面は濡れているし,
寒いし,良いことなんてありゃしない。取り合えず心配しても今はしょうがない。
日高市,飯能市を走って,正丸トンネルまできた。トンネルは好きではないけどR299を行くと決めたので通過する。
いつのまにか前にはホンダの大型スクーター,後ろには何だろうニンジャかYZFが着いていた。しばし集団のツーリン
グ気分に浸る。僕には滅多にないことなので楽しい一時だった。
秩父市に入ったら前のスクーターは擦り抜けて行ってしまい,後ろのスーパーバイクも何処かに曲がってしまった。
また一人旅である。R299は秩父市の上野町の交差点でR140と交差する。交差点を越えると秩父鉄道の踏み切り
があった。それを越えたら秩父神社が見えた。
格好のよい門構えで,つい写真に収めたくなる。人がいたのでシャイな僕は少しおどおどしていました。
R299はこの神社を通り過ぎてから右に折れる。折れてすぐは商店街でにぎやかな感じだが,すぐに商店は途絶え道も
やや細くなる。そして相生町のY字路を左に行くと,今ちゃんとR299を走っているんかよぉと不安に成ってくる。
その不安が高まってきた頃,道は秩父橋を渡る。
写真は車道橋から歩道橋を写している。眼下には荒川の流れが見え,釣り人が竿をしならせていた。
秩父橋を渡ってすぐにR299は左に大きく折れ(右というかまっすぐは県道44で長瀞の方へ向かう)寺尾地区,
蒔田地区を通って小鹿野町に入る。そして小鹿野町を横断するようにして群馬県に入るのだ。
小鹿野町に入ってすぐにはR299もかなりの大通りで車の通りもかなりあった。まっすぐなR299をどんどん
行くと「こんにゃく資料館」なるものがあった。道の反対側は休憩所になっていたのでちょっとバイクを止めてみる。
中までは入って見なかったが,こんにゃくの作り方を教えてくれるんだろうか?写真を撮ってすぐに出発する。
道沿いには温泉スタンドもあったが,買っている人は居なかった。まだ朝っぱらだからだろう。(それに民家も
少ない)
さらに行くと,R299がとってもみすぼらしくなってきた。センターラインも無くなり,R299の看板も極端に
小さくなった。そして,写真の登山道入り口が現れた。近くで子供が遊んでいた。子供が外で遊んでいる
姿を見たのはほんとうに久しぶりなような気がした。
さて,両神山登山道入り口の看板の傍には,白井差登山道が廃道と書かれていた。そういえば以前白井差小屋の近くで
道路封鎖されていたのを思い出した。そのことだろう。
とっても頼りなくなったR299だが,なんとかときどき看板があることで国道であることが分かる。まあ,わき道も
ないから迷う心配はないのだが..でも時折現れる登山道は現在のR299と道幅での区別ができない。天下の国道は
登山道と同じレベルに落ちてしまった。我家の傍ではあれだけ交通量の多い道が,こうなってしまうのかと感慨無量で
あった。
しかし,寒い。信号もなく,止まることがないからだろうが,基本的に気温と湿度が低いのだ。今日は暑くなると予報があった
からジャケットの下はポロシャツ1枚だけだ。ジャケットの袖口から風が入ってきて全身が冷えてきた。そう思うと
今度はお腹の辺りが冷えてきたような気がして..腹痛にならなければよいがと心配する。
寒ければ止まって休めば良いのに,止まるのもなんだかおっくうで,走ってしまう。まるで走り出したら止まれないイノシシ
のようだ(もののけ姫参照)。
道はいつのまにか林道の様相を呈して
きた。
お空も曇った感じで,直前まで霧がありましたって感じに路面が濡れていた。かなりキツイ登りでみるみる標高が上がって
行くのがわかる。つづら折れの道をゆっくりと登って行く。寒いし,薄ぐらい感じで寂しかった。時折,道の端から今
登ってきた道が見える。写真を撮った。すごい眺めだった。埼玉県も奥地になるとこんな秘境とも思える場所があるんだ
と初めて知った。道は山肌をジグザグに這って作られている。今居る地点から見下ろすと,断崖絶壁の下にさっき通ってきた
道があるんだ。バイクでトコトコ走ってきたのに,どうやって来たんだろうと考えさせられてしまうようだった。
行く手にトンネルが現れた。志賀坂トンネルだ。ここを越えると群馬県に入る。
寒かったせいで催してしまったので,バイクを止めて用をたした。見まわすと草木に雨粒が沢山着いて居た。
本当についさっきまで霧がここらを覆っていたようである。それから,R299の今後を予見する看板があった。
あまり見たくない内容だった。この先でR299が途絶えているということなのだ。一瞬ひるんだが,気を取り直した。
「天下のR299がそんなことあるわけない!」,この時はまだ我家の前のR299の印象が強かったのだった。
志賀坂トンネルをくぐり今度は下り坂を行く。群馬県の中里村に入ったのだ。今上ってきた埼玉県側と比べると少し,緩やか
な感じがしたが気のせいだろうか?立ち木や下草もやや少ないような気がする。それほど顕著な違いではないので確信がもてない。
暫く行くと恐竜のオブジェを発見した。休憩所の庭?(っていってよいのかよく分からない)のような広場に恐竜がいる。
不思議だったので写真に撮った。
なんか,この辺りの風景は見たことがある。なんで見たことがあるんだろう?って考えたら,そうだ,もうずいぶん前
女房と中里村の恐竜センターに4輪で行ったことがあった。そのときこの辺りも見たんだろう。
あのときは少し先の足跡の駐車場でなぜか車の中で夜明かししたんだっけ。どうしてそうゆう状況になったのかはどうしても
思い出せなかった(今でも..)。
そしてバイクを進めると,あった,恐竜の足跡の化石とやらがある場所だ。ここにはトイレがあって駐車場に一泊するには
丁度よかったんだ。今日は家族連れが何組か来ていた。
更に進むと,道はT字路にぶつかる。右に行くと神流湖方面,左に行くと長野県方面である。僕は左に曲がった。
そして左に曲がって少し行くと恐竜センターがあった。この通路も覚えている。前に来た時は,足跡の所に一泊して,早朝に
この恐竜センターに来たんだっけ。その時は確か雨が降っていたと思う。今日は良い天気になった。志賀坂トンネルまで
の道のりで冷え切っていたので,この太陽の輝きは嬉しかった。
なつかしの恐竜センターは,以前来た時より綺麗になっているような気がした。以前は,まあ朝早く雨だったせいもあるかも
しれないが,もっと悲しい感じで一瞬入るのを止め様かと思ったくらい閑散としていた。でも,今日のセンターは活気が感じ
られ,のぼりまで立てられている。今度,もう一度入って見る必要があるかも知れない。駐車場にはカワサキのニンジャだろ
うか,大きなバイクが一台止まっていた。
恐竜センターを出発して,暫くは細い道が続いた。だが,上野村の入ると広くて綺麗な道に変わった。右手には神流川が気持
ち良く流れている。気持ち良いというのは,のびのびと大らかに流れているっていうような感じだ。もともと水量が多い川だ
から見ていて惚れ惚れとするような感じである。走りながらふと右手を見ると「蛇木の滝」という看板が見えた。滝ハンターの
僕には堪らない誘惑である。通り過ぎてからUターンし,早速寄って見た。
ごうごうと音を立てて流れる水は少し離れていても迫力があった。ただし,残念ながら滝は砂防ダムのような人口の堰によって
できたものだった。これで自然の滝なら言うこと無しである。
さっきから隣でおにぎりをほうばりながら僕の方を見ている釣り人がいた。自分の車の助手席側で,ドアを開けた状態で半身乗
り出しておにぎりを食べている。なんでじろじろ見るのか,気になったので,本当は滝のそばまで行って見たかったが断念して
立ち去ることにした。バイクで滝を見に来たことが珍しいのか?それとも釣り場を荒らすとでも思ったのか?蔑むような目つき
が嫌だった。
滝を後にしてしばらく行く。やや道が狭くなったように感じた。商店が道端に軒を並べているからだ。その中に「道の駅上野」が
あった。アイスクリームでもあったら食べて見ようか,昼食の菓子パンでも買おうか?なんて考えながら店に入る。..が,何
にもない。コンビニより困った状態で,昼食のパンもまったくないのだ。しかたがない,ジュースを一本買うだけにした。昼食
は別のところで買えば良い。
外に出たらヤマハのSRが駐車場に止まった。渋い感じのおにいさんで話しかけたいなぁと思ったが,なんとなく話しかけられ
なかった。トイレによって先を急いだ。
道の駅を出ると,再び道は広くなり,快適になった。自分の進行を妨げるものがなにもない。前にも後ろにも何も見えない。
走りたければ走り,とまりたければとまり,UターンしたければUターンすればよい。止まっていると暫くして,1,2台の車
が抜いて行く。なんてのどかで平和なんだろうと思った。
道は傍の川よりずいぶん高い所を走るようになった。バイクを止めて見下ろすと,深緑色の川が流れ,そこに釣り人がいた。
平屋建ての「森林科学館」を越えると面白い名前のトンネルに出会った。早速写真に撮る。【父母トンネル】と命名されたトンネル
は何の変哲もないコンクリートのトンネルだが,地図を見ると面白い関係にあることに気付く。
この辺りの地名で【乙母(おとも)】と【乙父(おっち)】というのがある。これらの地区は山を挟んで隣り合っていて,2つの
地域を結んでいるのが,このトンネル【父母トンネル】なのだ。冗談でしょう?って感じである。僕は結構気に入ったがどうであ
ろうか?
このトンネルの名前を写真に撮っていたら,さっき道の駅で会ったSR君がどばばばっと追いぬいていった。僕も出発だ!
気持ち良くR299を進む。照りつける太陽が気持ち良く体を温めている。とそこへ十石峠の案内が,Y字路が現れたのだ。 右がR299の十石峠方面,左が県道124のぶどう峠方面。僕は迷わずR299を選ぶ。そしてすぐ,通行止めの看板が現れた。 Y字路からほんの100mほどである。
【 土砂崩落のためここから7.4km先通行できません 】,平成12年4月18日から当分の間,だそうだ。当分の間ですでに
1年が経過したんだなぁ。7.4km先というと,R299が切れて林道になっている部分のようだ。迂回路は少し戻って県道12
4を行けというものだった。右も左も分からないので看板の迂回路に従うことにした。
県道124に入るとこれも気持ち良い道だった。暫く行くと道が細くなりカーブがタイトになってきた。これからはまたお楽しみだ
とわくわくしていた。すると前方に4輪が現れた。遅い。あまり抜く気はなかったので後ろにくっついていた。普通,峠道で4輪が
バイクに後ろを取られると譲るもんだ。どう考えたって4輪が遅いからだ。現に速度は20〜30km/hである。これ位の道なら
バイクならあまり上手くなくても40km/h以上で走れるもんだ。しかし,一向に譲る気持ちがわかないようだ。これも運命かと
思い,もう暫く我慢した。道は僕の好きなくねくねが続いている。もう限界だ!っていうことでちょっとした隙に前にでた。4輪の
ドライバーはどう思っただろうか?知ったこっちゃない,こっちだってずいぶん悩みいらいらし苦しんだんだから。
そして,抜いたらすぐに【ぶどう峠】だった。
ぶどう峠を越えるといよいよ長野県である。ん?なんか景色が違うぞ? 今まで森林に付きものだった下草がやけに少なく綺麗に 整頓されている。人工的に手を加えたものなのだろうか?でもこの面積をやるのは容易じゃないはずだ。きっと気候が違うんだろう。 それで下草が成長し難いんじゃないか?なんだかんだ考えながら気持ち良いワインディングを下っていた。さっきのぶどう峠までの 登りと大違いの2車線の下り。カーブのRもやや大きいからさっきより格段に高速で走れた。あっというまに坂を降り切って,道は やや平坦になった。そしてここを降り返し点に決めた。
県道124沿いの加和志湖畔である。深いブルー(ややグリーン)のいかにも深そうな湖の水面が,そよ風に揺れていた。なんと落 ちつく風景だろう。信州に来たって感じがした。
この後,しばらく湖畔の釣り人を眺めていたが,Uターンして元来た道を戻った。この県道124は,南佐久郡の小海町,小海線の
小海駅前を通り再びR299に合流する。その先は八千穂高原である。夏は女房と八千穂,蓼科周辺をバイクで走る予定だ。
帰りは,やはり走り出したイノシシの様に,止まることができず,結局13:35に家に到着するまで休憩なしであった。
走行距離は233.4km,所要時間は5時間35分であった。また,ほとんど止まらなかったので燃費が良く,なんと22.8km
/Lを記録することができた。しかし,休まなかったせいで,その後2,3日体の調子が悪かった。もう年だから無理できないことを
実感した。