投稿・名探偵コナン最終話

      



姉小路文麻呂さんから、コナンの最終回ラストシーンを書いた 文章が届きました。そこで、掲載させていただくことにしました。
      



「灰原!やめろ!」
シェリーは、コナンに銃口を向ける。
「ごめんなさい。私が生きるためには、あなたを消さないといけないの。  それが、組織からの条件。」
緊迫したときが流れる。流れるというより、止まっているかのようだ。
「だめだな」
黒ずくめの男はつぶやいた。 次の瞬間、この男の銃は火を吹いた。
「は、灰原!」
コナンは、灰原に駆け寄る。
「だめ。来ちゃ」
シェリーは、コナンを払いよけようとする。
「おい。灰原。しっかりしろ!」
「私、あなたのこと・・・、す・・き・・・だった・・・」
シェリーは、コナンの胸に崩れた。
「絶対に許さね〜」
といって、黒ずくめの男の方を向く。
男は、コナンに銃口を向けている。
『一体どうすれば・・・』
考えてはいるが、どうした物か?
『もうだめか?』
すると、銃声がした。
『おれ、打たれたのか?』
思わず自分の体を触った。だが、血は流れていない。
見ると、男の方が撃たれてのた打ち回っている。
その反対側には、拳銃を持った小五郎が居た。
「おっちゃん!」
白鳥刑事の銃をもぎ取り撃ったのだった。白鳥刑事は、怒っている。
「うるせー。おめーが、撃ったところで、コナンはやられてたんだぞ!」
逆切れする小五郎。
「高木君。逮捕だ!」
目暮警部がそう言うと、高木刑事は犯人をパトカーに乗せる。
するとそのとき、その男は、パトカーの前に崩れた。
見ると、頭から血が流れている。
「警部!」
高木は叫んだ。
「気をつけろ!誰か潜んでいるぞ!銃を持っている!」


一部始終を見ていた女が居た。
ため息を吐いて帰ろうとする。
「ねー。おばさん?何処に行くの?」
サッカーボールを抱えた小学一年生ぐらいの男の子が立っている。
「ん?」
「それって、ピストルだよね」
「おもちゃよ。じゃ」
「待てつってんだよ」
「お前は」
「工藤新一。探偵さ」
「工藤新一か。あの、高校生探偵ね。はじめまして」
そう言うと、銃口をコナンに向ける。
すると、キック力増強シューズで、拳銃めがけてボールを蹴った。
拳銃が地面に落ち、くるくる回っている。
「くっ」
腕を抑えながらその女は逃げようとする。
その時、女は無数のライトに照らされた。
「全員。かかれ」
目暮警部が叫ぶと、警官達が一斉に取り押さえた。
「連行しろ!」
パトカーが去っていく。
「おめーは、またちょろちょろと」
小五郎は、コナンに拳骨をくらわせた。
「あぶねーことばっかすんじゃねー」
「ま〜。毛利君。コナン君のおかげで被疑者も逮捕したんだし」
「しかし、警部殿!」
目暮と小五郎が言い争っているところへ、安笠博士が走ってくる。
「お〜い。」
「博士!」
「薬ができたぞ。」
「薬って、アポトキシン4986の解毒剤か?」
「コナン君、何それ」
蘭が、小五郎が、目暮が、高木が、佐藤が、コナンの方を不思議そうに見る。
「なんで、できたんだ?博士。それに、母さん。父さん」
「いや〜。哀君が、作っておいてくれたんだ」
「息子の晴れ姿。見ない親がいるか」
わけのわからないことを言う優作。
「そういえば、灰原は?」
「さっき、救急車で運ばれたわ。かなり、危険な状態みたい」
蘭が言う。
「・・・」
「さ。新一。飲んでみ」
「新一?」
皆の顔が、コナン達を見る。
「ここで、飲むのかよ」
「ちょうど良いではないか。」
「じゃ、じゃあ、飲むぜ」
『これで、元の体に戻れる。灰原・・・』
コナンは、薬を飲んだ。
皆は、目を疑った。見る見る、コナンがでかくなっていく。
「新一!」
そう言ったのは、蘭だった。
「こういう事だったんだ。」
蘭は、何も言わずに新一の胸に飛び込んだ。
「バカ・・・」
「こういう事だったんだ。すまねー。蘭」
「やっと、何もかも終わったな」
ふっと息をつく新一。
「終わって無いわよ」
蘭が何故か怒っている。
「どうしたんだ?蘭ね〜、あ、蘭?」
「ね〜。コナン君。あなた、私と一緒に寝たり、お風呂に入ったり したわよね?」
「え?」
「ん?」
「だ、だから、俺は嫌がっただろ〜が」
「問答無用!」
そう言うと、蘭は、新一を追い掛け回した。
「な〜に〜」
これを聞いた、小五郎も加わる。
「家の娘になんてことを〜」

「行きましょうか」
目暮がそう言うと、皆去っていった。



「おはよ〜。コナン君」
「おはよ〜」
「馬鹿。歩美。工藤新一だぞ」
「でも、コナン君が、あの高校生探偵の工藤新一だったなんて・・・」
「いや〜。騙してて悪かったな」
「いえ。そんな事は」
朝の何処にでもある通学風景である。
「でもよ〜。蘭ねーちゃん。良かったな。新一が帰ってきてよ〜」
「はあ」
歩美がため息を吐く。
「どうしたんだ?歩美?」
新一が言う。
「んーんー。何でもない」
「そーか」
「ねー。新一。急がないと遅れるよ」
「おー。そうだな」
すると、
「おはよう。工藤君」
さめた女の声がする。
振り返ると、女子高生が立っている。
「だれよ!新一」
「いや〜。どちら様ですか。ひょとして、俺のファンかな?」
「あたしよ。」
歩美が叫んだ。
「あ〜。ひょっとして、灰原さん?」
「ふ。ご名答。良く分かったわね。そこの名探偵さんでも、分からなかったのに 。さすが、少年探偵団ね。」
「おめー。84歳のばばあじゃなかったのかよ!」
「あら、言ったでしょ。あなたとお似合いの18歳って」
蘭は面白くない顔をしている。
「うっそー。灰原も大人だったのかよ」
元太が、目を丸くする。
「灰原、生きてたのか?」
新一が尋ねる。
「あら、ご挨拶ね。これのおかげで助かったの。」
「あっ。探偵団バッチ!」
子ども三人が叫んだ。
「それより、おめー、その格好?」
「今日から、帝丹高校に通う事にしたの。アガサ博士にも、そう言われてね。」
「おめー、今更何勉強すんだよ。」
「いいじゃない。さ。急がないと遅刻よ。」
言うが速いか、灰原は新一の腕を取ると、歩き出した。
一瞬、蘭は呆然としていたが、
「こら、新一!待ちなさい。あなたって人は!」
激怒し、後を追う。
それを見ていた、三人。
「さ、私たちも行きましょう」
「そうだな。行くぞ!歩美」
「愛があれば、年の差なんてよね」
「へ?」
光彦と元太は、顔を見合わせる。
「まって〜。コナン君!」
「おい、待て。歩美。遅刻するぞ!」
ごく平凡な、朝の通学風景である。





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