GHOST IN THE SHELL 2:イノセンス関連情報まとめ
序
「われわれの神々もわれわれの希望も、もはやただ科学的なものでしかないとすれば、
われわれの愛もまた科学的であっていけないいわれがありましょうか」
ヴィリエ・ド・リラダン『未来のイヴ』
*劇中の単語・語句・テクニカルターム・人名等は公式の用語集や2501の鍵、SACの解説に結構載ってます。
**基本的には「見た人」向けですが、「これから見る人」が読んでも(ネタばれ解説含め)支障ないと思います。むしろ読んでから見たほうが楽しめるくらい「濃い」作品かと。
目次
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鑑賞ポイント
IMAX
- オープニングの3Dハダリの最後のカットで目がアップになり瞬きしたとき瞳に何かが映っている。この作品のテーマがそこにある。DVDでは潰れてしまうのでスクリーンでしか見られない。→結果どうでした?
- 出荷検査部長のボートハウス、同じ背表紙の本のタイトルは?
- TV BrosかTV雑誌の特集対談でイノセンスは「目に始まり、目で終わる」という話になって、
(人形は何を見ているか、とか)その締めの部分で、
押井「最後の“目”には、実はあるものが写り込んでいるんです」
対談相手「えっ、2回見たけど気付かなかったなぁ」
押井「スタッフも知らないですよ」
※”オープニング”の「最後のカット」のことかもしれない。
- 冒頭のスカウトヘリの頭にある「觀」の意味は、真理に従って判断し、煩悩を打ち消す精神の働き。智と同じ意味の模様。視聴者への暗示か。
- 手書きは現実、CGは仮想現実。3Dのハダリと手書きのハダリや、カメラが回り込んで3Dを強調してるシーン等。
- 車のバックミラーにぶら下がってる人形はトグサの娘が作ったマスコット。よく見るとネクタイをしている。
- 椅子は四つ足ロボット
- ハッキングを受けている時は画面が青系になる。物理現実は琥珀色。蛍光灯・雲に注目すべし。
- キムへの案内役が「リン」、ジブリ作品「千と千尋の神隠し」でも案内役は「リン」
- キムが影響を与えているところは「生死去来…」とオルゴールの音が出る。
- キムの屋敷の前にある、大きな足の彫刻の根元の彫刻のタイトルが書いてあるらしいプレート、「Homo Exmachina(機械仕掛けの人間)」ラ=メトリー(仏)著作は「L'homme-machine(人間機械論)」
- キムの屋敷、ホールのオルゴールに「Logicus Solus」? 素子の暗示か?
- キムの屋敷で天井からぶら下がってるものが入るたびに変わる。計三つ。
- キムとバトーは、同じ「人形化した人間」として、同類である。歪んだ鏡像関係にあるこの二人が、二人の加害者を罰する事で映画が終わる。→FaQ:キム 対 バトー
- 日本神話に準えると合致する。
日本神話との対比
| 劇中要素 | 日本神話要素 |
| 択捉経済特区(バトー曰「卒塔婆の群れ」)= | 黄泉の国(よみのくに) |
| 到着して下った階段(トグサが振り返る)= | 黄泉平坂(よもつひらさか) |
| トグサの食べない肉まんと飲まない紅茶= | 黄泉戸喫(よもつへぐい) |
| バトー= | イザナギ(伊弉諾尊) |
| 人形遣いと融合した草薙素子少佐= | イザナミ (伊弉冉尊) |
「黄泉の国」で、イザナギがその亡くした妻・イザナミを連れ戻そうと冥界に下るが、互いについにまみえても、
死者は連れ戻せないという 悲恋のストーリー。
黄泉の国の食事を摂ったものは、「穢れ」て現世には戻れない。ゆえにトグサは、リン尋問時に饅頭を食うのを止め、
キムの館では紅茶を口にしなかった。
- クライマックスでハダリに自分を一部DLした素子、3種類それぞれ違う。
1)戦闘プログラムVer./「表情はこの程度で我慢してよね」
2)ハッキング中Ver./無表情、人形の顔
3)素子ゴースト入り?Ver./「人形にも声があれば、人間にはなりたくないと言ったかもね」
この(3)が表情もそれなりに豊富で妖艶、バトーの少女への脊髄反射的怒りを
受けとめ、慰めも与え、幸せは懐かしい価値観、と切り捨てる運命の女。
「もう行くわ」 返事もせず、素子の方を見ないバトー、崩れ落ちるハダリ。
- 能
- 能を鑑賞した時の感覚に似てる。
おもしろい、おもしろくないっていう評価ができない。そういうのとは違う次元で完成されてる。情報の十二単を纏った藁人形か。
- 「台詞無き 動作に 込める意味」
3月18日の解説で押井が会話がいつも、物語を進行させてるけどそれをさせたくなかった
みたいなこと言ってた。台詞に注意を置いても映画見られないかと。
- 萌えポインツ。床の回線に繋ぐ時に、バトーが頭を振って後ろ髪を逸らした動き。
- 700円のパンフレットより1000円の「イノセンス フロム・インサイド・ボイス」という徳間書店刊の 「完全版」パンフレットのほうが良いらしい。ISBNが付いてるが劇場売店のみの限定販売とのこと。※
投票コーナー
よくある感想
2chの各スレッドで見られるよくあるレス
ループとも言う。
- 深刻ぶってはいるが、テーマと結論に目新しさのカケラもないのでは?今更感がある。
-
「単純なシナリオを、難しい言葉使ってどうにか難解に見せるという魂胆が見え見え」等
山形浩生評など参照。
⇒派生意見
(1)『攻殻機動隊』よりかえって理論が後退してる。
(2)大金かけて映画撮るより人形一体つくればよかったのでは?
- 引用が多すぎる、衒学的。
- 引用や他作品のパクリばかりで新しい要素が無い等。
⇒過剰はその過剰そのものが目的。一種の演出効果を意図した。
鈴木敏夫さんと無邪気に語る。の鈴木Pの話参照。あと、監督自身のインタビューとか。
※演出が成功してるかどーかは別問題。
- 結局「人形萌え」じゃないか
- しらはた参照。
- 前作観てないと分からない。広報が間違っている。
-
「"少佐"って誰?」
「素直に「攻殻機動隊2」と言え。アメリカではまんま、『GHOST IN THE SHELL2』じゃないか。」
「だまされて観た」←→「だまされるやつなんていない」
ほか用語や舞台設定について。
- 観客の入りは無惨。映画館ガラガラ。
- エンターテイメントとしては失敗か。観客動員数・興行成績を取り上げ自分の評価とし、世間の評価とも表する。
- 映像はスゴイ
- 鈴木P×糸井対談でちょっと詳しい話が。
- ハードボイルド映画だ
- ハードボイルドな精神を解説してるサイト
特に“中級編:精神を理解し、よりよい行動を”ってところが重要。
北矢行男/『ハードボイルドの経済学』第一章
- オタク映画だ云々
- 「オタクが見るような内容でつまらん」
「オタク映画にン十億もかけて無駄無駄」
junk
- 公式サイトの不完全用語集で「cgjnoqvwxyz」が無い。記載する用語が無くてもあるものはある。
- ヌエトリは、トラツグミのことだけじゃなくて、フクロウやコノハヅクなんかの総称にも使われてるそうだよ
- 「映画は発明でなければならない。さもなくば映画の模倣に過ぎなくなる」とは押井の言葉であるが、
BDだのパトレイバーだの過去の作品群の体験から何かを抽出してイノセンスを語ろう等と馬鹿な事だ、と言ってる様にも読める。
- 「お土産付き映画」もしくは「宿題付き映画」と称してる。
映画を見た後に、自分の経験、一緒に見たお連れや友達、はたまたネットであーだこーだ言うのが楽しいんだと思う。
そういう所も含めて映画の面白さだと思ってる。
- 今年の夏に「I,Robot」って映画が公開される(FOXがイノセンスへの出資の交渉として脚本手直しを要求したが(金出してやるからここ直せ)、押井サイドが「こんなのイラネー」と蹴ったプロットを、そのまま実写化した映画。つまり、イノセンスの眉唾脚本)
- ハラウェイとロクス・ソルス社が繋がってる。ハラウェイが使っていたライターのロゴに注目。
- イノセンスオーシャンモナー
- ヤクザ事務所の殴り込みで、バトーが銃を乱射
している隙にトグサが転がり込んだ階段のフロア
に一匹いた(黒猫)
あと、コンビニでバトーとすれ違いざま警告を
発した女が背負ってたリュックから顔を出していた
- 難解な作風なせいか、パンフレットが売り切れてるらしい。
- 『ドライにしろ。栄養価もその方が高い』というようなことを言うんですが
これを聞いた時自分は『プラネテス』4巻の中の『死んだ者のことはほど良く忘れないと心の健康に良くない』
という台詞を思い出しました。遠回しに『素子のことは忘れろ』と言ってるのかな、なんて。
(はてなダイアリー - 記)
- 前回の博物館だかで少佐が戦車の上に乗って
腕引きちぎれるシーンにかかってた曲(フレーズ)が
イノセンスに歌詞あてて使われてたんだね。
- 魚、鳥、犬。
- 「パト2」が公開された時にニフの「押井守会議室」で3つの「象徴」で映画の内容を語るという、興味深い書き込みがあった。
「鳥」 死の象徴、神の視線、柘植
「魚」 孤独、檻に囚われた、南雲
「犬」 従順、報われない思い、後藤
「パト2」の場面場面でこの3つの動物が印象的に使われてきた。鳥(柘植)を想った魚(南雲)は海の底を潜り鳥(柘植)の王国に渡り、犬(後藤)は魚(南雲)に恋いをしたが魚は犬にも目もくれず報われる事は無かった。こんな感じでなかなか初めて読んだ時は感動したものです。この方法論で「イノセンス」をまとめられるかなと考えて見てましたが、三題話にはなりそうもない。
「犬」「人形」「鳥」この三個で分けられるモノかな?
- ところでヤクザ事務所乱入だかコンビニでの銃乱射だかのあたりで
1カット空っぽの鳥カゴが出てきたハズ。
これは祭り・・世界模型のシーンの後、映画後半戦で描かれてた天井から鳥の虚像がぶら下がった巨大ドームで
バトーたちが彷徨するシーンの伏線になっている。
バトーを閉じ込めたキム(夢邪鬼)の仕掛け、バトーは鳥カゴの中を繰り返し彷徨っていたワケだ。
何時から?
鳥の虚像が化石化するほど昔からか・・
先にも書いた通り、ハッキング解除のシーンでバトーの存在そのものが虚構である疑いが生じたため、
空っぽの鳥カゴ→鳥の入れ物→タマゴの中で虚構のバトー→影としての存在が彷徨っていたという絵が成立する。
- 空っぽのタマゴ、彷徨う影、化石・・なんだか「天たま」のモチーフも出てきたな。あの作品で幻の住民たちは幻の魚を追っていた。
バトーは「水中」にダイヴして・・そこで求めていた存在を捕まえる事が出来たかどうかは観る者の解釈に委ねるといったトコか。
- 空の鳥籠は殺された検査部長のボートハウスだよ。部長さん、魂としてどっか行っちゃったんだって判る。
んで鳥籠の鳥はエトロフの空で沢山飛んでたじゃん?
エトロフは魂の國なんだろうね。素子の魂も死んだ人形の魂もエトロフの空を飛んでいるんだろう。
- 素子=魚
バトー=犬
人形使い=鳥
と、前作のはキッチリ役割分担されてたハズだよ。
ハナシ逸れるけど「P2」では
しのぶ=魚
後藤=犬、荒川=犬、松井=もちろん犬w
柘植=鳥だった。
ラストしのぶは柘植と共にヘリで空へ・・後藤、それを地上から見上げてるという構図だった。
- 鳥は死や彼岸や天使の象徴。魚は無意識の象徴。
押井が明文化してどこかでそう言ってるんだから、押井はその意識で鳥や魚を描いていると考えていいんじゃないかな?
鳥と魚の結婚だと、単なる動物戯画になるし、押井の場合、男は犬、女は女のまま寓意化は無しだと思うが
イノセンスでも人形使いと融合した素子は未だに海の底の魚なわけ?違うでしょう
- 前作と比較
- 前作こそ、実にシンプル。話のテーマ全部が、
「童のときは 語ることも童のごとく 思うことも童のごとく
論ずることも童のごとくなりしが 人と成りては童のことを棄てたり」
という、原作にはなかった引用に集約されてた。
つまり、映画全体を「これは主人公、草薙素子が"童のことを棄て"る話なんだ」と一言で説明できた。
つーか、『ビューティフルドリーマー』や『ブレードランナー』とかよりも、
前作の『攻殻機動隊』と比べて『イノセンス』をみてみると、いろいろなことがわかりやすいな。
前作は、
(1)その引用に全ての話を集約させたこと。
(2)そのテーマに、虚構を持って虚構を語るというアニメの手法が極めて良くマッチしたこと。
(3)従って、その手法の技術レベルの高さが、そのままテーマを描く高い完成度につながったこと。
(アニメ映画における作画・演出などの映像技術は、小説における文体に相当するだろう。)
(4)テーマとそれへの解答も、"アニメを含む映画のジャンルで"という限定付なら、それなりに目新しかったこと。
それらの点で、とてもよく出来た作品だった。
そーいったことから、前作が高い評価を受けたのは作品の出来に相応しいことで、
むしろ日本での評価が低すぎたことには、広報や配給会社の理解の不足や、観客の側に問題があったとすら言えるだろーな。
んで、『イノセンス』では、前作のプラス要因がみんな反転する。
(1)過剰な引用はそれ自体の意味は重要ではなく、過剰そのものが一つの演出技法として使われたが、
その技法が空回りして、うまく効果を挙げることが出来なかったこと。
(2)「"こちら側"に残ったものが何を寄る辺にして生きるのか」というテーマは、
正に人がアタマの中での考えでなく、現実に生きていることで感じるリアルな感情・感覚を
テーマへの答えの中核に据えさせるが、それとアニメキャラクターの相性は極めて悪いものであること。
(3)従って、その手法の技術レベルが高ければ高いほど、テーマの描き方としては
違和感あるいは冗長さ、散漫さにつながってしまったこと。
(4)テーマがいくらなんでも、あまりにもあまりにも今更なものであること。
「前作との比較」という観点から切ってみると、やっぱり『イノセンス』は、
一つのテーマを描いた作品としては、失敗作だと断じていいと思うんだよな。
勿論、他の観点からでは、また違った評価が出る。
例えば、択捉祭りなどに代表される、個々の場面の描写の異様なレベルの高さに着目すれば、ひたすらスゴイ。
そうした観点から見れるだけのアニメの技法に関する知識と観察眼があれば、十分以上に刺激的で楽しい映画だろうな。
- 受胎告知かそれに類する絵だと思うよ。
「GHOST〜」に出てきたガブリエルは素子の元に降臨したけど、今回はトグサの娘に向けてのものだったんじゃないかな?
お土産の包み・・タマゴの封を解いて人形が娘の手に渡る。
で、その場に存在するガブリエル・・今回は犬の姿だけどね。これで処女懐胎の絵が成立する。
- 受精卵のイメージはなんか違和感ある。でも、ティルトローターってもろに男性器のイメージだったじゃん。
それがヘリポートに降りていくと、そこに描かれた八卦のイメージが
だんだん鮮明になっていく・・・ってのは、受精のイメージだったのかと思ったのよ。
周り飛びまくってる白い鳥は精子で。
たしか天たまで白い鳥の羽が飛び散るシーンも
「壮大な射精」と押井が注をつけてたはず。 水鳥型の船が出た後、「タマゴを乗せた鳥の巣」型プラント船に潜入、
産道のごとき狭い船内通路でのバトル、
最後にゴーストダビングされそうになってた子供を
タマゴだか子宮だかを模したドックからへその緒切って採り上げる。
子供は刷り込みされた雛鳥のごとく初対面のバトーに懐いてた。
冒頭の「発生する人形」をカプセルの中に閉じ込められていた子供とダブらせると、
更に面白い観方ができるかも。
情報元:2chやGoogleで調べたもの
動機:情報整理。スルメをもっと味わいたい。けなす暇があったら楽しめ。
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