――まさに彼女が断念しようとする瞬間、常識をかなぐり捨てハダリーを愛し始めるエワルド。そして彼は、「生きている女の方こそ幻だ」と考える。 ハダリーとの愛の生活への期待に満ちて、エワルド卿はエディソンのもとを辞し母国イギリスへと旅立って行った。
残されたエディソンは、「これで初めて『科学』は、……恋の病からも人間を治せるということを証明したわけですね」とソワナに話しかける。が、成功を分かち合うべきソワナ=アンダーソン夫人から返事は無い。彼女は冷たい骸を残して既に人間界を去っていたのだった。
三週間後、音沙汰が無いことを訝しんでいたエディソンのもとに届いたのは、エワルドが乗った汽船ワンダフル号が船火事に遭ったというニュースだった。エワルドの努力の甲斐なく、箱詰めのハダリーは大西洋の藻屑と消えた。次いでエワルドからの電報が届いた。
「ハダリーノコトノミ痛恨に堪ヘズ。――タダコノ幻ノ喪ニ服セム。――サラバ」
エディソンはかつてない哀愁と感慨にとらわれ、冷たく星の瞬く冬空を見上げ身をふるわせるのだった。
21世紀の始め、タイレル社はロボットの進化段階をネクサス・フェーズに進めた -- 実質上、人間に等しい存在 -- それはレプリカントとして知られる。 ネクサス 6 型レプリカントは、彼らを創造した遺伝子技術者に対して、体力や機敏性においては勝り、さらに知能においては少なくとも同等であった。レプリカントは、危険な宇宙探査や、他の惑星の植民地化など、宇宙( Off-world )での奴隷労働に使われた。
ネクサス 6 型の戦闘チームが宇宙植民地で流血を伴う反乱を起こした後、レプリカントは地球上では非合法な存在と宣言された -- その罰は死刑である。 特別捜査班 -- ブレードランナー・ユニット -- は、侵入してくる全てのレプリカントを捜索の上、撃ち殺すように命令された。
それは処刑とは呼ばれなかった。
それは廃棄と呼ばれた。ロサンジェルス 2019 年 11 月
数人のレプリカントが地球侵入に成功し、元ブレードランナーのリック・デッカード(ハリソン・フォード)は、そのレプリカントの追跡を強要される。