「電チュー」と「アタッカー」
「普通電役」と「特別電役」



このサイトやblogでたびたび「普図」や「特図」という言葉が出てきます。
また、当サイトに限らず一般の方でも「電チュー」や「アタッカー」という用語をよく使います。
たいていの場合は、用語のはっきりとした意味を知らなくても大して問題にはなりませんが、変則タイプの機種を打つ時などはこれらの基本的な知識がないとお話にならないこともあります。
まぁ、こんな用語に限らず、何事も知らないよりは知ってた方がいいんですけどね。
こんな機会でもないともはやパチンコを打ちすらしていないただの物知りオッチャンの森伊蔵の出番はないですから、毎度のごとく長々と説明してみましょう。


知識がないとお手上げになる一つの例が先日、このサイトで取り上げた「キャプテンロバ君」みたいな機種の場合です。
某大手パチンコ情報サイトのピーなんとかさんでは、この機種を一般電役に分類してました。
もちろん、この機種はどっからどう見てもデジパチ以外の何者でもありません。
一般電役なんだかデジパチなんだかの区別もつかないようではスペックの算出すらできませんから、この程度の認識では「パチンコで勝とう」なんて考えるには100年早いです。
そんなこともありまして、役物の種類や役割について一度整理しておきたいと思います。


・ 役物の形状:「電チュー」と「アタッカー」

まず「電チュー」と「アタッカー」の違いについてお話しましょう。
「電チュー」とは「電動(式)チューリップ」の略で、その名の通り電動で開閉するチューリップ型役物のことを指します。
こんな形のヤツですね。


一方で、「アタッカー」とは四角いフタが開くタイプの役物のことです。
これも電動で開閉します。
絵で描くとこんな感じです。


と、まぁ、あたかも2種類の別の役物かのように説明してますが、単に「カタチ」が違うだけでどっちも電動式の役物です。
例えば、「CRスーパー海物語」ではスタートチャッカーを兼ねた役物として「電チュー」が用いられ、大当り時の大入賞口として「アタッカー」が用いられてますが、これらの組合せは逆でも何ら問題ありません。
ということは、確変・時短中にパカパカするのが「アタッカー」で、大当り時に開くのが「電チュー」でもいいわけです。
どちらも電動式役物で、フタが開くかチューリップが開くかの形状が違うだけのことなんですね。
さらに言いますと、ハネモノの「ハネ」だって同様に電動で開閉する役物の一形態です。
もちろん、ハネモノの「ハネ」がハネではなくて「アタッカー」状のものでも問題ありません。

例をいくつか挙げてみましょう。
・大当り時に開く大入賞口(普通は「アタッカー」)が「電チュー」だった機種
 キャプテンロバ君CR大冒険島の突時時に開く大入賞口、ダイナマイト
・小当り時に開くスタートチャッカー兼用電役(普通は「電チュー」)が「アタッカー」だった機種
 CR黄門ちゃま(これでも十分古い…)・マスタークライム(マイナー過ぎるって…)
・ハネモノの「ハネ」が「アタッカー」だった機種
 バンバンジー(古いなぁ…)・スーパーブラザーズ(また無茶苦茶古いとこ出してきやがって…)

相変わらず古い機種ばかり出てきますが、そこらへんはご容赦ください。
最近はほぼ大入賞口=「アタッカー」、スタートチャッカー兼用電役=「電チュー」、ハネモノのハネ=「ハネ」が用いられる機種がほとんどですから。
ここでは、結論として、「アタッカー」、「電チュー」、「ハネ」の違いは形状の違いにすぎないという点をまずはご理解ください。


・役物の役割:「普通電役」と「特別電役」

次いで、電役の役割についての説明です。
前段から当り前のように「大当りの時に開く」だの「小当りの時に開く」だのと書いてますが、どういう時にどういう役物が作動するかは厳密に規定されています。
何でもいいから好きなところが開いたり、ランダムにあっちが開いたりこっちが開いたりしてはいけません。
それぞれの役物には「担当(役割)」があるのです。

まず、「特別図柄」が揃った時に作動するのが「特別電役」。
「特別図柄」とはいわゆる「メインデジタル」のことです。
海で言えばタコやらカメやらサメ君やらがグルグルしてるアレですね(本当は違いますけど…)。
あのデジタルで図柄が揃えば「大当り」となり大入賞口が開きます。
この時開く大入賞口は「特別電役」という種類の役物になります。
そして、この「特別電役」が他の要因で(例えば小デジタルの当りなどで)開いてはいけません。
言い換えれば、「特別図柄」が「大当り」となる組合せを表示した時のみ作動することができるのが「特別電役」なのです。
「特別電役」の特徴としては、第一に「継続可能なこと」が挙げられます。
1度の「特別電役」開放は30秒または10個入賞を上限に定められた時間・入賞個数までですが、特定の条件下ではこれを最大16回繰り返すことが可能です。
堅苦しい言い方をしていますが、30秒または10個入賞までの開放とはいわゆる「1ラウンド」のことですね。
そして、最大16回継続可能とは最大16ラウンドまで設定できると言う意味です。
これが「特別電役」の最大の特徴で、1度の契機(特別図柄が揃った)ことで複数回の動作を行うことができるわけですね。

これに対して、「普通電役」もあります。
その名の通り「普通図柄」が当りになった時、そしてその時だけ(論理学風な…)作動することができる役物です。
「普通図柄」とはたいてい目立たない存在で小さな○×ランプになってることが多いです。
スーパー海物語なら液晶デジタルの右上(でしたっけ?)あたり、ハネモノセブンなら盤面右上あたりでピコピコ点滅してる○×が「普通図柄」です。
そして、「特別電役」との最大の違いは「継続することができない」点です。
1度の「普通図柄」当りで「普通電役」は1度の作動しかできません。
例えばスーパー海物語の確変中は、1度の「普通図柄」当り(○表示)で約0.9秒×3回の1セットで終了で、数セット繰り返されることはありません。
ここで、「1度しか作動できないのに3回も開くのは変では…」とするどいツッコミが発生するかもしれませんが、過去何度も書いている通り3回の開放合わせて1回の動作なんです。
1回目の開放が要因になって2回目の開放をしているわけではなく、あらかじめ3回がワンセットになっているとご理解ください。
特別電役が複数回続けて開放するのと見た目は似ているようで規則上はまったく別のプロセスです。
一応、規則上では普通電役の作動は最大6秒または10個入賞を上限に定められた時間・入賞個数まで開放することが可能になっています。
この時間・入賞個数とは、例えばスーパー海物語で言えば3回開きのトータルの開放時間が6秒以内・10個入賞以下で定められていればいいという規則です。
ですから、トータルの開放時間が6秒以内であれば6秒×1回でも、スー海のように0.9秒×3回でも、くるくるポンのように0.25秒×15回でも構いませんし、極端な話0.1秒×58回なんてのもアリです。

こんな感じで、長々と書いてきましたがここでの結論は、「特別図柄」の抽選により作動するのが「特別電役」、「普通図柄」の抽選で作動するのが「普通電役」という名前通りの組合せになっているというお話です。
そして、「特別図柄」により「普通電役」が作動するなど組合せがズレてたらダメ、というのもポイントですね。

これまでの話にいくつかのポイントを付け加えて、図柄&役物のルールをまとめてみましょう。
普通図柄&普通電役の特徴
a. 普通図柄の保留は4個まで
→1つの普通図柄の保留玉は4個までです。

b. 普通図柄の始動チャッカーは賞球のある入賞口でも賞球のないスルーチャッカーでもよい
→普図用のスタートチャッカーはスルーチャッカーでもよいのがポイントです。

c. 普通電役は最大6秒または10個入賞を上限に定められた時間・入賞個数まで開放できる
→特電のような長い開放はできません。
→1回の作動で数回の開放がセットになっている普通電役でもトータルの開放時間が6秒以内、10個入賞以内であればokです。

d. 特別電役がある機種では普通図柄&普通電役は1組だけ、ない機種では4組まで搭載してよい
→デジパチは特別電役がありますから普通図柄&普通電役は1組だけ搭載できますが、一般電役には特別電役がないので最大4組の普通図柄&普通電役を搭載できます。

e. 普通電役の入り口の大きさは55mmを越えてはいけない
→大きさも決まっています。

f. 普通図柄の当り確率は最大2つまで設定してよいが、その内の低確率から高確率へ変動するのは連続役物作動装置の作動が終了した時(大当り終了後)のみ
→普通図柄の確変(いわゆる時短)突入は大当り終了後にしか認められません。
→特電のない(連続役物作動装置のない)一般電役では普通図柄の確変(いわゆる時短)を搭載しようがありません。

特別図柄&特別電役の特徴
a. 特別図柄の保留は4個まで
→1つの特別図柄の保留玉は4個までです。

b. 特別図柄の始動チャッカーは賞球のある入賞口でなければいけない
→特別図柄の始動チャッカーにスルーチャッカーを用いることはできません。

c. 一度の開放で最大30秒または10個入賞を上限に定められた時間・入賞個数まで開放できる
→普通図柄よりも長い作動が可能です。

d. 連続役物作動装置が作動している場合は(ものすごい装置ぽいですけど要は「大当り時」ってことです)、最大16回を上限に定められた回数まで繰り返し開放できる
→普通図柄と違い、c.で定められた動作(1ラウンド)を繰り返し行うことができます。
→繰り返しの上限は最大16ラウンドまでです。

e. 特別図柄&特別電役は最大2組まで搭載してよい
→数年前の規則改正で大きく変わった部分です。
→一つの機種に2つの特図&特電を搭載できます。

f. 特別電役の入り口の大きさは55mmを越え、135mmを越えてはいけない
→普通電役より大きいです。

g. 連続役物作動装置が働く「大当り」の確率は最大2つまで設定してよいが、その内高確率は低確率の10倍を越えてはならず、低確率から高確率への変動は連続役物作動装置の作動が終了した時(大当り終了後)のみ
→特別図柄の確変は大当り終了後にしか突入できません。

ここまでが規則を踏まえた基本のお話です。
一般のパチンカーが混乱するいちばんの原因は「形状」と「役割」を分けて理解していないことです。
スーパー海物語のスタートチャッカーを兼ねた「普通電役」を「電チュー」と呼び、キャプテンロバートの2チュー・3チューの「特別電役」も「電チュー」と呼び、ホー助君の「(旧2種)特別電役」も「電チュー」と呼び、ダイナマイトの(大当り時に開く)「(旧3種)特別電役」も「電チュー」と呼びます。
どれも見た目(「形状」)は「電チュー」に違いありません。
しかし、上記の例ではすべての電チューの「役割」が違います。
もちろん、その役割を理解した上で、呼びやすいように一般的な「電チュー」という呼称を使用することには何の問題もありません。
ただ、それぞれの「役割」を理解せずにすべてを見た目だけで一くくりに同じものだと思うのは大問題です。
特に「キャプテンロバ君」はまるで一般電役のような見た目をしてるので、「役割」を理解せずに「形状」だけで判断すると大きな間違いを引き起こします。
ロバ君の場合、1チューも2チューも3チューも「形状」は「電チュー」ですが、「役割」は1チューが「普通電役」、2チューと3チューが「特別電役」なんです。
1チュー(「普通電役」)の作動を抽選する「普通図柄」が右下の赤ランプ(と演出画面)でそのスタートチャッカーが規則で認められているスルーチャッカーになっています。
2チュー・3チューの2つの「特別電役」は、最大2つまで搭載可能の規則内ですし、1度の「特別図柄(右下の2桁7セグ)」当りで2チュー、3チューと2ラウンド続けて開くことができるのも連続役物作動装置が働く「大当り」であるから可能です。
何よりも確率変動機能があるということはどこかに特別図柄&特別電役があるということです。

もう一つ触れておかなければならない問題があります。
前段で権利物キングホースケの電チューを旧2種特電、権利物ダイナマイトの電チューを旧3種特電と書きましたが、この旧とは旧規則での分類という意味です。
デジパチやハネモノや権利物と言うのも、本来はその機種に搭載されている特電の種類で決まります。
第1種特電が付いていればデジパチ、第2種特電が付いていればハネモノ(と一部権利物)、第3種特電が付いていれば権利物になるわけです。
それらの特電がないものが「その他」のジャンル。
「その他」の中には電役が一切ない「チューリップ」や普通電役の付いた「一般電役」があります。
このように、すべては役物の「役割」を見れば一目瞭然に分類することが可能でした。
ところが現在の規則からは「種別撤廃」により特電の種類がなくなりました。
旧1種のようなデジタルの抽選によって特電が開放するデジパチタイプも、旧2種のようにチャッカーに入賞することで特電が開放しVに入ると連続して特電が作動するハネモノタイプも規則上では特電の種類に違いはなく一緒くたにされています(旧3種タイプの電役は現行規則上では実現が困難になっています)。
それにより、ハネモノセブンのようにハネ開放からVに入賞して大当りになるハネモノの特徴を持ちながら、同時にデジタルの抽選でも大当りになるデジパチの特徴も併せ持つ機種も出てきました。
厳密に言えば、もはや「デジパチ」や「ハネモノ」といった分類はなくなったと言えなくもありません。
ジャンルの分類は特電の種別によって決まっていたものが、その特電の種別がなくなったのですから機種のジャンル分けもなくなったわけです。
もちろん、「デジパチ」や「ハネモノ」の呼び名は一般的な呼称に過ぎず、旧デジパチタイプの機種を変わらずデジパチと呼んだり、旧ハネモノタイプの機種をハネモノと呼ぶことには問題ないでしょう。
ただ、規則上の扱いと一般のパチンカーが使用する用語の意味が大きく乖離しやすい状況にあるので、どの役物がどういう「役割」を持つのか正しく理解しておく必要があります。
パチンコに限らずギャンブルというものは「何が何だかよく分からないけど何となくやっている」状況がもっとも危険ですからね。


まとめ

・「電チュー」、「アタッカー」、「ハネ」は「形状」の分類
・「普通電役」、「特別電役」は「役割」の分類
これらの関係を混同してはいけない。