「OGFオリガンリレー小説〜ケ・セラ・セラ〜」 第7回更新分

リングはそれぞれの位置を目まぐるしく変えている。
それらはまるで競い合っているかのようだ。
アグゼはフェリオを見上げる。

「あの一つ一つがね、それぞれ別の...」

フェリオはそこまで言って止まった。
宇宙と言うか世界と言うか。
どちらでもないとも言えるし、どちらも正解だと言える。

「それぞれ別の、『全て』なのよ。本当はもっと沢山あるんだけれども、リングが使えない今、常に安定した接続ができるのはこれだけね。」

咄嗟に思いついた言葉を口に出してみたが、これは良い比喩だと自分で関心するフェリオ。
しかも哲学的かつ文学的な表現のような気がする。
ちょっとした感動であった。
だがアグゼはさらに首を傾げる。
理解ができないわけではない、むしろ満足気なフェリオの笑顔が不思議なのだ。

「さて。アグゼ、どれがいい?」

この29の『全て』からどれか選べとフェリオは笑顔で告げた。
アグゼはゆっくりと時間をかけて選ぶ。
一つ、アグゼの好みの色を発していた。
淡い緑だった。
アグゼはその『全て』を指さして、再びフェリオを見上げる。
フェリオは一瞬苦笑いにも見える笑顔を見せたが、すぐに今までどおりの優しい笑顔に切り替える。

「そっか。その世界がいいのか...大変だよ、なんたってそこは...」

またフェリオは言葉の途中で止める。
この先は言わないほうが良い、そう判断した。
だって。
だって、この子はこんなにも瞳を輝かせてあの『全て』を見つめているのだから。

***

眺めていた男にとって、絶好のチャンスだった。
原因はわからないが、今あの組織は事実上の停止をしている。

「もう眺めるだけは飽きた。」

言って男は椅子から立ち上がって想像―創造を始める。
新たな『全て』を。
その『全て』は己が欲するあの組織のため。
そのための手段である。
兵器を生む。
兵士を生む。
技術を生む。
さあ、軍勢は出来上がった。
あとは戦略である。

「これが最も重要かつ難解なものだな。」

再び椅子に座して思考を始めた。
しばらくして男は笑い声をあげた。
その声は次第に大きくなっていく。
考えただけでも笑いが止まらない。
もうすぐ、もうすぐなのだ。
もうすぐであの組織、あの遺産は私の手に落ちる。
いやもっと根深いところで言えば、あの組織と闘うことだけでも私の欲求を満たしてくれよう。

そう、もうすぐだ。

「姉さん、連盟は私が頂くぞ。」