#10
『漆黒』
「なぁ、あんず」
「ん?どした、とーる」
「なぁ、ちょっと髪触っていいか?」
「あー?べつにいいよー」
「(すっげぇさらさらしてるなぁ……)」
「……どした、とーる?」
「(……さらさんのように髪洗うの大変そうな長さでもないけど……)」
「おーい、はなしきけー」
「(でもここまでさらさらなのも珍しいよな……)」
「きかないかー……しょうがない、かっちゃんからおそわったさいしゅうしゅだん…」
「(あー……何でこうもさらさらで心が和むかなー)」
「とーる……ごめんねー……」
「……え?」
(すぱぁん!)
「とーる!よんでるのにきづきもしないんだもん」
「だからってビンタは……いったぁ……」
「とーるっ!どうして髪触ってるときぼーっとしてたの?」
「え?髪がすっげぇさらさらだし」
「ふーん……」
「俺はこういうさらさらな髪とか好きだし」
「……ふーん……」
「いや、俺が悪かった。機嫌損ねたなら許してくれ」
「え、べつにいーよ」
「そっかぁ……」
「(さらさらかぁ……頑張って維持しよっ)」
「さらさらな髪ですね……メモ」
「あれ、何やってるの?秋乃ちゃん」
「え、なんでもないですよ」
「研究してるんだぁ……さらさら髪がいいって」
「……ばれちゃってます?」
「当然。」
「……これ、お姉様には内緒にしておいてください」
「え?」
「私だって……」
「……(姉のためじゃなかったんだね……)」
-FIN
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