#20
『泳ぎ』
「透君」
「あー……タコもいいなぁ……」
「おーい、透君!」
「くっついて行動かぁ……はぁ」
「このタコが」
「え」
「よし、ようやく気づいたか」
「どうしたんですか、時子さん」
「どうしたもこうしたもないでしょ。さっきからずっと呼んでるのに」
「いえ……すいません(汗」
「ったく……あんたらはいつの間にそこまでべたべたしてんのよ」
「はぅ……」
「……はぁ。まぁいいわ。どうせたいした用件じゃないし。」
「っていいますと。」
「いやね、お爺様が突然泳ぎたいとか言い出すから」
「唐突すぎだ……はぁ」
「だから今から水着買いに行くわけ。あんずやさら、お爺様は連れて行けないでしょ」
「それはそうですけど。」
「じゃあ、今から買いに行くわよ。透君」
「え、あ……資金は……」
「島村家にツケとくわ」
「さりげなく酷っ……」
-10分経過-
「ここね……」
「……うわぁ……入りづらい」
「こういうのも男の試練だ、さぁいくのよ!」
「……はー……」
「これはあんずにでしょ。これはさらので。」
「やけに早く決まりますね」
「サイズは調べてあるから」
「用意周到ですね……って、ちょっと待って。」
「ん?どうしたの……って、ちょ、ちょっと」
(時子さんと一緒に試着室に駆け込んだ透)
「どしたの、透君」
「やばい……今一番あっちゃまずい……」
「何が……って、あの子達じゃない。」
(店に入ってきたさくらと芽衣子)
「ねぇー。今年の水着ってどんなのがいいかなー」
「うーん……水着なんて着ないし……」
「透君に見せる為なら頑張ってきるんじゃなかったの?」
「うぅ……でも……恥ずかしいぃ……」
「……まぁ、妥当なのは臍見せ無しとかの方か」
「それはそうだけど……」
「あっ。これ凄い過激……」
「うわぁ……もはや紐だけって見えてもおかしくないよぉ……」
「……あ、冗談で。試着してみる?」
「えーっ!やだ……恥ずかしいし……」
「……流石に冗談でも着るなんていわないか。」
「……うん、ちょっとこれじゃあ……危なすぎるもん。」
「白のビキニかなぁ……頑張っても」
「え……これ隠せる範囲狭いよ?」
「これぐらいで限界かな」
「もうちょっと隠したいよぉ……」
「……隠したいって言ってもあれはどう?」
(ラバー系の水着を指差す)
「……あれもあれで……厳しいね」
「取りあえずね、これ試着してみよっ」
「うん、ワンピースなら問題ないかな」
「試着室……3つのうち両端が空いてるね」
「真ん中は……誰か着替えている見たいだねっ」
「……あれ。この靴……どこかで」
「え、どうしたの、さくら」
「この靴……透君のかも……」
「え、う、嘘!?」
「だって似てるんだもん……この靴……」
「(やばい!靴脱ぐんじゃなかったか!)」
「(どうするのよ……あの子達が店から出るまで待つの?)」
「(水着は後は買うだけ?)」
「(え……まぁ、そうだけど……)」
「(じゃあ、二人が着替えている間に俺は店から逃げるから)」
「(OK、任せなさいな)」
「でもさ……ここに透君来るかな」
「あー……それ考えるとありえないね。」
「……うーん。着替えちゃおうか」
「そうだねっ」
(シャーっとカーテンの閉める音がはもった瞬間)
「(いまだ!買い物任せる!)」
「(いいわよっ!)」
ダッシュで疾走して店から逃げ出すかのごとく退店する透。
お会計を済ませ、ダッシュで店を去る時子
二人で荷物を持って店から走り去った僅か1分後
「あら。真ん中の人……行っちゃったんだ」
「凄い勢いでいなくなったみたいだね」
「靴もないしね……」
「で、どう?水着」
「あー。可愛いなぁーそれ」
「えへん。これはちょっと自信がある。」
「アタシだって。」
「おー、なかなかやりますなぁ」
「えへへ」
「「すいません、これください。」」
「はい、ありがとうございます。」
「今年の夏はこれで!」
「うん!」
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「はぁ……ただいまぁ……」
「はぁはぁ……疲れたわね、流石に」
「おかえりー。」
「お爺様……水着買うのってこんなに疲れるんですね」
「……む?そうじゃったか……?」
「いや、俺の場合だから疲れただけだと思う……」
「……まぁ、いいじゃろう。」
「さて。ビニールプールでも出してくるかな」
「水着ってそっちの意味かよ」
-FIN
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