当サイトの目的は、文章の書き方を解説することです。目指すべきは、理解しやすい文章――具体的には、センテンスの構造に欠陥がないため読んでいて突っかえることがなく、パラグラフの構成が適切なため論旨を容易に追える、そういう文章です。上記の定義を満たす理解しやすい文章を書くために必要となるふたつの技術、すなわちセンテンスの作成技術(第2章)とパラグラフの作成技術(第3章)と*を解説することが、当サイトの目的です。
* 第4章「付録」は文章作成関連のオマケ記事、第5章「ファイアーエムブレム(FE)のMIDI」は音楽室です。
当サイト作成の背景としては、個人の文章作成能力に対するぼく自身の不信感があります。世の中、先に述べた理解しやすい文章の定義に反する文章――センテンスの構造に欠陥があるため読んでいて突っかえる;パラグラフの構成が不適切なため論旨を追うのに苦労する――があまりに多いのです。中身以前に外形に問題があるというのは、非常に残念なことです。この手の理解しにくい文章を何とかしたいと思ったことが、当サイトを作成する背景になっています。
もうひとつの背景としては、教育現場での言語技術教育の不備があります(No.6、p.33)。文章作成というのは本来、言語技術教育の一環として、学校の国語の授業で教えるべきものなのです。ところがわが国では、国語の授業といえば文学作品を読む文学教育一辺倒で、言葉を使って自分の意見や主張を明快に伝える方法を教える言語技術教育がなおざりにされています。こういった事情――学校では教えてくれない――も、当サイトを作成する背景になっています。
サブタイトル「未来ある論文書き(大学生・大学院生・研究者)に捧ぐ」は、当サイトが対象とする読者――当サイトを読んでもらいたい人たち――を象徴的に表現したものです。<象徴的に>とことわっているのは、当サイトが、(論文書きに限らず)他人に向けて自分の意見や主張を述べることを目的とした文章――論述文――を書く人全般を対象としているからです。したがって、それが他人に向けて自分の意見や主張を述べたものである限り、さすがに小説はべつとしても、コラム・エッセイ・レポート・評論のたぐいを書く人も、当サイトが対象とする読者です。
論述文を書く人を対象とするのは、論述文においては書き手の文章作成技術が問題となるからです。もし書くものが日記や会話メールであれば、文章作成技術は実際的な問題ではありません。なぜなら、読み手にとって日記や会話メールというものは、読むことそのものが目的――楽しみ――だからです。この意味で、日記や会話メールを書く人にとって文章作成技術はとくに必要ないと言えましょう。一方、書くものが論述文であれば、文章作成技術は実際的な問題です。なぜなら、読み手にとって論述文というものは、読むことは目的――それは手段です――ではなく内容を理解することが目的だからです。したがって、論述文を書く人としては、読み手が間違いなくその目的を達成できるように、つとめて理解しやすい文章を書く必要があります。この意味で、論述文を書く人にとって文章作成技術は絶対に必要*だと言えましょう。だからこそ、当サイトは論述文を書く人を対象とするわけです。
* とくに必要なのは、パラグラフの作成技術です。当サイトでは馴染みのあるセンテンス編からあえて説明していますが、読んで欲しいのはパラグラフ編です。なぜなら、文章というものがセンテンスの集まりではなく(あくまでも)パラグラフの集まりである以上、パラグラフをどう作成するかという思考こそが文章作成そのもの、つまりは文章作成とは作文ではなく作段落に他ならないからです。(世にあふれる<文章作成>講座の大半は、単なる作文講座いわば<文作成>講座になっている嫌いがあります。それらが述べる文章論――「正しい文章」論・「美しい文章」論・「読みやすい文章」論・「わかりやすい文章」論・「理解しやすい文章」論、等――とは結局、段落作成に対する言及のない文論でしかないわけです)
当サイトの作成*にあたっては、多数の文章読本――文章の書き方を綴った本――を参考にさせていただきました。とくに参考になったのは、以下の16冊(赤字は当サイトの読者に推奨したい文章読本、星印は当サイトの管理人が好きな文章読本)です。著者の皆様には、お礼申し上げます。
* 背景画像はcadeth様より、BGM「ブレスオブファイア3 より 竜に捧ぐ」は於美様より、お借りしています。