深夜番組

「ねぇ、電気消してテレビ見るとさ、目悪くなんのよ」
「わかってるけどなんとなく、暗いとなんか雰囲気でるし」
「なんとなく、ねぇ」
「そっちこそ夜中に菓子食ってるとあとで酷い目にあうよ」
「うるさいなわかってんのよだってこれとまんない」
「ね、今の見た?『人間の胎児は1週間で生命1億年の進化の歴史をくりかえす』、だって」
「見てるってば」
「すげえ〜1週間で生命の歴史1億年分か」
「人間は宇宙の生命を乗せてはこぶ船、だもんね」
「ヴィークル論ってやつね」
「大仰な任務だわ」
「オレとてもじゃないけどその任務果たせそうもない」
「確かに運搬船としては価値なさそうよ」
「うわ、ちょっとひどくない?」
「人のこと言えないけどねあたしもね。なんかすぐ力尽きそう」
「まぁね…暗闇の海で遭難中って感じかも」
「つかすでに難破してる気も」
「あはは、難破って」
「してそうよ〜」
「ふたりそろって?」
「そう、ふたりして」

ダーリン あたしたちは
先の見えない航路の中で たった一度だけ奇跡的に交錯した
離れがたいと思うのは
ひとりで行くのが怖いから

「なんで運ばなきゃなんねえんだ!とか逆ギレしてね」
「あはは」
「知らねえよほかの命のことなんか!みたいな」
「嫌だわ〜ふたりの世界になっちゃう〜」
「あはは」

通じ合わないことばの着地点を必死でさがしては
一緒にいることの理由を問う

何度も 何度も

そんなものが永遠に
見つからないとわかっていたとしても

ダーリン きっとあたしたちは
どこまでいっても本当はひとりだ

「ねぇ、ちょっと、手だして」
「ん?」
「手、」
「つなぐの?」

「つなぐの」

離れがたいと思うのは
ふたりでいるのが怖いから


ダーリン あたしたちは

暗闇の中でしか
手をつなげない




何を言いたいのかさっぱわからない。単純に会話が延々、ていうのをやってみたかったのですが。ふたりでいるのが本当は怖いから、だからこそ一緒にいるっていうこの倒錯。あぁめまいが…。それにしても何の番組見てるんだろこのバカップルどもは。ちなみにあたし自身、遺伝子運搬船としての価値はまるでないと思うのでヴィークル論は嫌いです。
BGMはLOST IN TIME「約束」
2004.02.04 管理人なみこ拝