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2001ぐるうぷ えん 窯焚きレポート |
グループ「えん」は葛飾区内の有志が集まった陶芸グループで、毎年8月ごろに窯焚きを行ってきた。
今年は8/5〜7日まで茨城県の守谷の穴窯で焼締中心の窯焚きを実施した。窯開けは8/11で、この窯で焼いた作品が皆様の前に並べられる。つつみ陶友会からは窯元の景山氏がメンバーで参加している関係で事務局として個人的に何度もお邪魔しているが、窯焚き・窯開け・展示会ともに和気藹々の雰囲気で陶芸を楽しむ姿勢は心地よい。
本編に入る前にまず、守屋の穴窯について少し説明しておく。これはある陶芸家が一般に貸し出している窯で、もちろん料金はは相応にかかるが、バーナー、薪、棚板等必要な道具は全て貸してくれる。下画像左が窯の全景。窯の向こう側に見える水色の建物が工房となっており、ここも使用できる。工房にはろくろ他必要な機材もそろっており暇な時間には研修も出来る。もちろんトイレや炊事や仮眠のスペースもあり、貸し窯としては贅沢なつくりといえる。下映像真中は正面の焚口から奥を撮ったもので一番手前に見えるのは薪止め。一番奥はまっすぐに立ち上がる壁のようなつくりでその下方の両側に煙道につながる狭間穴が見える。この奥の壁に沿って棚組みが行われるのが普通で奥から1メートルちょっと手前の右手に作品搬入用の出入り口が設置されており、これの左手には脇焚と色見兼用の口が儲けられている。下画像右は右側面の出入り口から正面焚口を撮ったもの。窯詰めが終わると脇焚穴を残してこの出入り口を閉じる訳である。さて下画像からもお分かりと思うがこの窯の傾斜は緩やかで、窯の形状も奥が広いトンネル状である。この窯の所有者はバーナーを併用しての緋色を推奨しており、約一昼夜の焚きで狙いの温度と効果が得られると言うことで、手前の転がしは別だが奥の棚組みの作品は殆どが緋色狙いの作品としているようだ。もちろん棚の下方等は脇焚による灰被りや自然釉も期待できる。
(各画像をクリックすると別ウィンドウで拡大映像が開きますので見終わりましたらウィンドウは閉じてください)
8月5日にメンバーが現地に集合。めいめいの作品を持ち寄った。この日は窯詰めのみで明朝早くにバーナーに火が入れられることとなる。下画像は左から奥の棚組みが終わり手前の転がしなどを並べている図。真中は脇役に徹する野郎3名。右は翌日バーナーに火が入ったところ。
さて、バーナーで7〜800度くらいまで温度が上がったら薪の投入を開始する。その後燠が十分できた所でバーナーには暫くお休みいただき薪のみで焚いて行く(下画像左)。始めは10分〜15分に1〜2本のペースが温度が上がるごとに忙しくなる。1000℃を超えると煙突からは炎が出るようになる(下画像真中)。この炎を途切れさせぬように薪の量と間隔に気をつけて焚いてゆき温度を一気に上げていくのが還元雰囲気の攻め焚。窯焚きにおいて「雰囲気」とは、焼成の状態の事を言い「還元焼成ぎみ」とか「酸化焼成ぎみ」の意味で使う。普通焼締では還元雰囲気で焚いてゆく。又1250℃以上まで上げるのが普通だが胎の種類や作品の狙いにより最高温度は変わってくるので一概には言えない。緋色をねらうのであれば上げすぎは禁物なので、手前の灰被りの焼け具合や灰の溶け具合により、脇焚を開始し、奥の作品の灰被りをねらうことになる。この頃には窯内部はオレンジ色から白色に輝き始める(下画像右)。今回の焚きは緋色狙いが主であったので最高温度はそれほど高くはしない。脇焚をしつつ予定の温度に達した後、灰の掛かりを確認しつつ温度を維持しながらねらしに入る。ねらしとは、設定した最高温度帯を維持することで、焼上がりを完全なものにすると共に自然釉などの掛かりや溶け具合などを調整していく最終段階である。又、温度を一定に保つことで窯内部の温度分布のバラツキを小さくする意味もある。
この窯の焚き時間は約一昼夜ということで、自然釉の掛かりが弱い。それを補うためと、緋色の発色を考えてねらしの時点でバーナーを併用している。約数時間ねらした後、焚きは終了、焚き口を全て閉じて完了(下画像)。後は窯開けを待つこととなる。
さて、後日(8/11)の窯開けだが、その様子を写した画像が2枚あるので紹介しよう。下画像左が、窯を開けた直後の作品全体像。右は窯から出した作品を並べて置いたところ。画像からは大体のことしか言えないが、灰被りの何点かはそれなりに自然釉が掛ってはいるが個人的にはおとなしい焼き上がりと感じる。奥の緋色狙いの作品全体にも窯変に力が無いように思われる。一昼夜という制約の中では上出来といわざるを得ないが、あと丸一日あれば、焚き方にもよるがもっと変化のある作品も焼けたのではないかと思う。一点一点が力作なので少しもったいない印象を受けた。共同の窯焚きでは胎・装飾・狙いがまちまちである事からなかなか思い切ったた焚きができず無難な窯焚きになりがちだ。又施設を借りているという制約もあるので難しいことかもしれないが今後は焚き時間の検討をしてみる価値はあると思う。
最後に第11回ぐるーぷ えん展(8/29(水)〜9/5(水)於亀有 藍・ほーる)に出展された作品の一部の映像を紹介しておく。尚、画像の入手事情によりほとんどが景山氏の作品となっているがご容赦願いたい。
以上簡単に経過を説明してきたが、筆者の推測による部分もあるので食い違っている部分はご容赦願いたい。尚、今回の全レポートは景山氏の談話と会員の方がとった映像をもとに過去の映像をまじえて作成した事をお断りしておく。
文責:つつみ陶友会事務局 飯濱
