笠間悠友窯10月本焼レポート

 


去る10月12日の夜より15日迄、笠間市福原「いろり舎」敷地内の悠友窯(穴窯)にて本焼きを行いました。今回は、前回の本焼とは一線を画した焚きを計画しました。窯詰めは前回と同様のレイアウトで奥半分にぎっしりと詰め、わき焚口より前は空間的に余裕を持たせました。又、前回の煙突の引きの悪さを考え狭間穴(燃焼焼成室から煙道への仕切られた通気口)は全開としました。

上は窯詰めを待つ作品群。下は窯詰めを終えた様子。

これから下の画像はクリックすると拡大画像が開きます

 12日(木)の9時過ぎから始めた窯詰め作業は翌朝5時に終わり、入口を閉めバーナーに火を入れたのが朝6時と予定より時間がかかってしまいました。今回皿物が多く大物が少なかった割に作品数が多く、又ほとんどがなま物であったこともあり時間をくってしまいました。


 焚き方で前回と大きく異なるのは焼成時間と、温度上昇曲線で800度迄の焙りを短縮、1200度までの温度上昇を円滑かつ短時間に、又、1200度から上を12時間のねらしとし、全体で50時間程度を予定しました。

上左:窯の口を閉じバーナーで焙りを開始。中:焙り中の窯内部。右:約200度からは薪を投入して更に温度を上げます。

上左:窯の前で薪くべのタイミング待つ景山氏と平泉氏。中2画像:薪を投入する様子。右:約1100度になると煙突から奇麗な炎が伸びます。

 今回の焚きは景山、平泉、飯浜の3名で実施したため強行軍となりましたが、1200度までは比較的順調にあがり、思ったより難儀が無い焚きでした。最高温は1235度と低めでしたが、ねらしの時間を大目にとることでカバーしました。
ねらし時には、わき焚きも併用して、奥の作品の灰被りをねらいました。
 最終的にはゼーゲル錐10番が完全に倒れ蓄積温度は十分である事が確認できましたので15日の午後2時過ぎに終了し今回の本焼きを終えました。

 6日後の21日の土曜日に窯開けに行ってきました。夜9時に現地到着、早速入口を開けると内部はまだ50度を超える温度でした。

下左:開けた直後の窯内部。真中は大きく撮ったもの。右は手前左右の棚と正面の前列の棚を取り出すと現れる最奥の棚組。

 今回の作品の8割は古信楽粘土で作られたもので、それの焼き具合が一番の焦点でした。やはり自然釉の掛かりが悪く焼もいまいち足らないようで前回のような釉垂れビードロは有りませんでしたが、窯変による緋色系統の変色が比較的鮮やかに出ていました。

 左は、景山氏作の水指。自然釉は火の流れの影響で部分的にかかっていますが、火裏の窯変模様が奇麗に出ています。窯内部の火の勢いと変化を感じさせる焼け具合で、個人的には気に入っています。焼き具合も十分で、漏れや染み込みも無く、実用としても十分な一品となりました。

 古信楽粘土は耐火度の高い白粘土で、もっと高温で長時間ひく事で自然釉の良さが出で来るものと思われます。やはりゼーゲル錐11番が倒れる位でないとだめなのかもしれません。次回は徹底的に高温長時間に挑戦してみたいとおもっています(粘土にもよりますが)。

 

(了)